大沢たかおが明かす『AI崩壊』の撮影裏話「撮影当日も決まってなかったんです」

――『AIは人間を幸せにするか』という問いかけに、桐生が答えるせりふがありますが、あのせりふに込めた思いは？

「あのシーンのせりふは、撮影当日の現場でも決まってなかったんですよ。実は最初、せりふは『子は親を幸せにできるか』というもので、僕はそれにずっと異論を唱えていたんです。人間は親、AIは子なのですが、作った人間の在り方でAIの存在は決まるというイメージがあったから。『それは作った人間の責任でもあるし、扱う人間の責任なのでは』という思いがありました」

――どのようにしてせりふが決まったのですか？

「撮影の準備をしている時に、監督に『どうします？今日のせりふ』って言ったら、監督が4つのせりふを用意してくれていたんです。そこで、僕は『全部撮っておきませんか？一番ぴったりなのを入れてください』と提案させていただいて、同じ芝居で4パターン撮りました。僕、映画館で知ったんですから。『あ、これにしたんだ！』って(笑)」

文＝原田健

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