「チェリまほ」で人気が加速！町田啓太が演じる優しいバーテンダーに癒される

今年の上半期にブレイクした俳優といえば、「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(以下、「チェリまほ」)の赤楚衛二と町田啓太だろう。この作品がジェンダーを超えた普遍的な愛の物語として世界中から評価されたのは、ストーリーに加えて、2人の演技力の高さも大きな要因だったのは確かだ。

2020年末に「チェリまほ」が終了し、2人の人気が盛り上がる絶妙なタイミングの2021年2月にスタートしたのが、町田の連続ドラマ初主演作「西荻窪 三ツ星洋酒堂」。この作品が9月にホームドラマチャンネルで放送される。

町田が演じるのは、下町の風情が残る西荻窪にある古い隠れ家的なバー「三ツ星洋酒堂」のバーテンダー・雨宮涼一朗。バーテンダーだけに、ベストにネクタイという町田の衣装とシェイカーさばきも決まっている。

店のオーナー・小林直樹(森崎ウィン)と、シェフの中内智(藤原季節)は、高校の同級生。毎回バーを訪れる客の悩みを、雨宮の作るカクテルと中内が作る料理、そして彼らとの会話が癒してくれるという、ハートフルなヒューマンドラマだ。ドラマ開始前に町田が「原作を拝読させて頂いたときに、雨宿りのような物語だなと感じました」と言っていたが、見終わったときに、雨上がりのような清涼感や安心感が得られるはず。

一流レストラン出身の中内が提供するのは、缶詰のアレンジ料理。亡くなった前オーナー、小林の祖父が集めていたものだ。店を継ぐ気がなかった小林を「缶詰が無くなるまで」と雨宮が説得して三ツ星洋酒堂は営業を続けている。缶詰といっても1缶2000円もする牛ロースもあれば、ムール貝のオリーブオイル漬け、流行りの鯖缶など多種多様。ドリンクもフードも、メニューは「As You Like(お気に召すまま)」のみ。客の話をきいて、雨宮と中内がカクテルと缶詰のペアリングに心を尽くす。ちょっとドラマ「深夜食堂」の趣もある。

回ごとに客のエピソードが展開される1話完結型ドラマとなるが、第4話には声優の梶裕貴がお笑いコンビの元相方役で、そして最終回には、先代の常連客役に中山美穂が登場するのも見逃せない。店で客を癒す3人も実はそれぞれがワケアリで、3人の抱える事情は6話を通して明らかになっていく。

町田演じるバーテンダー雨宮は、柔らかな雰囲気をまといながらもどこかミステリアス。次第に彼の意外なバックボーンが明かされていくが、その正体にも驚かされる。とにかく、このドラマでは雨宮の優しさが最大の癒し！こんなバーが実際にあったら、常連になりたいのに。「チェリまほ」から続く町田の「イイ人」キャラの権化のような本作で、癒しの「As You Like」を楽しみたい。

文＝坂本ゆかり

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