有村架純が主演作『前科者』への想いを語る「この作品を見て視野が広がってくれればうれしいです」

保護司とは、仮出所した人の社会復帰を支える国家公務員。ただし報酬がないボランティアで、平均年齢は60代だという。そんな保護司に20代でなったヒロインを有村架純さんが演じる「前科者」が2021年12月にドラマの最終回を迎え、その後を描く劇場版が2022年1月28日(金)に公開される。

映画『前科者』で主演の有村架純
映画『前科者』で主演の有村架純

「私が演じた佳代は、逮捕歴のある人を変えるんだ!という熱血教師みたいな正義感を持っているわけでなく、痛みを知り、後ろめたさを抱え生きています。だからこそ、保護司が務まるのだと思いました。そんな佳代の人への距離感や発する言葉に気を付けながら、全編を通して演じました」

ドラマの佳代は保護司に認定されたばかり。最初に、傷害罪の前歴があるみどり(石橋静河)を担当し、成長していく。

「映画の佳代にも未熟さが残っていますが、ドラマでは新人の頃が描かれるので、見るとより感情移入できますし、みどりとの関係性がどう作られたのかが分かります。佳代にとってみどりは生きる意味を教えてくれる、つっかえ棒のような存在なんです」

「前科者 -新米保護司・阿川佳代-」Ⓒ香川正仁・月島冬二/小学館 Ⓒ2021「WOWOW折地名ルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」製作委員会

映画にも出演する石橋とは同年代。初共演ながら、すぐに意気投合したという。

「私が石橋さんのファンでもあり、共演できてうれしかったです。彼女は自分の足で立ち、とがったところのない人。芸能人っぽくない感じもあり、一緒にいて楽しいです」

佳代の目を通し、罪を犯した人たちの生きづらさが描かれる本作。

「誰もが被害者にも加害者にもなりえます。だから、前科者でも一生懸命生きている人の前にはあったかい世界があってほしいなと思います。この作品を見て、そんなふうに視野が広がってくれればうれしいです」

監督は映画『あゝ、荒野』(2017年)の岸善幸。初めてのタッグだが、自由度の高い演出法に救われたという。

「カメラテスト後はリハーサルをせずそのまま本番。ドキュメンタリーのような岸組の撮影で緊張しつつも濃密な時間を過ごしました。実は芝居を続けていいのか分からなくなっていた時に撮影が始まり、この仕事がやはり好きだと確かめられ...。後のドラマや舞台にもつながって、この作品からスタートできた2021年は幸せな年でした」

ありむら・かすみ●1993年2月13日生まれ。兵庫県出身。2010年にデビューし、映画「ビリギャル」(2015年)、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(2017年NHK総合)、映画「花束みたいな恋をした」(2021年)など、主演作多数。主演映画「前科者」が2022年1月28日(金)に公開。

撮影=大川晋児 取材・文=小田慶子 スタイリスト=瀬川結美子 ヘアメーク=尾曲いずみ 衣装協力=koll、COEL、ASAMIFUJIKAWA

この記事の全ての画像を見る

放送情報

『前科者 -新米保護司・阿川佳代-』

放送日時:2022年1月29日(土)15:00~

チャンネル:WOWOWプライム

フォルトゥナの瞳

放送日時:2022年1月14日(金)21:00~

チャンネル:映画・チャンネルNECO

※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物