2019年夏に放送され話題を呼んだ関西圏の深夜ドラマ「サウナーマン~汗か涙かわからない~」が、CSホームドラマチャンネルに初登場!さらに本編放送後には眞島秀和のミニインタビューもあわせて放送される。
銭湯のサウナに集まった訳アリな男たちが、外見も地位も名誉も関係なしに、人情ドラマを繰り広げる異色のワンシチュエーションコメディー。過去のトラウマにより感情を失った主人公・黒柳ヨシトモ役で、"連ドラ初主演"を果たした眞島秀和に、知られざる撮影の舞台裏や作品の見どころを語ってもらった。さらに、ホームドラマチャンネルでは、3月から『おじさんはカワイイものがお好き。』、『LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~』と、眞島の出演作を続々放送!個性的な役どころに挑み続ける役者としての思いについても聞いた。
――連続ドラマ初主演。どんな思いがありましたか?
冠として"初主演"ということをうたっていただいて、当時の取材でもいろいろ掘り下げてもらった記憶があるのですが、僕自身としては、元々そこを目指していたわけではないので、それまでと変わらずに臨んだというのが正直なところです。役をもらえること自体にありがたみを感じているので、強いて言うなら「出番が多くてうれしいな」という気持ちでした(笑)。ただ、出番の割にせりふが多くなかったので、すごく楽をさせていただきました(笑)。
――「ある出来事により感情を失った」という設定で、多くを語らず、ほぼ無表情のヨシトモ。眞島さんご自身は、彼の人物像を、どう捉えていたのでしょう。
本当はすごく、いろいろな人とコミュニケーションを取りたいだろうし、自分のことをうまく表現できなくて、もどかしい気持ちを抱えている人なんだと思います。ただ、ヨシトモのキャラクターはともかく、「大丈夫なのか?」と心配になるくらい振り切った登場人物がどんどん登場する作品なので、僕は一観客として彼らの姿を見ていたような気がします。段になったサウナの座席って丁度、劇場みたいですから(笑)。楽しみながら、その世界の中にいた...という感覚でした。
――確かに、レギュラーもゲストも全員、個性的なキャラクター揃いでした。
その中で、狂言回し的なポジションを担ってくれていたのが、常連のサラリーマン・南野を演じた山中崇。事務所が一緒で、若いときから苦楽をともにしてきた仲なので、こうしてがっつり共演できたこと自体、うれしかったですし、大量のせりふに四苦八苦している姿を見るのも楽しかったですね(笑)。ただ、大変な中でも、彼の持ち味を存分に発揮していたのが印象的。僕自身、ものすごく好きな俳優ですし、尊敬している部分もあるので、「こういうふうにやるんだ」と感心しながら、さすがだなと思いながら見ていました。
――サウナという固定された舞台で、出演者は男性ばかりという異色作。現場の雰囲気が気になるところ。
スタジオにセットを組んで、数日間で一気に撮ったのですが、撮影チームは、とてもコンパクトなものでした。その分、「このチームで面白いものを作るんだ!」という一体感があって、すごく雰囲気のいい現場でした。その中でも印象に残っているのが、(脚本・演出を務めた)市井昌秀監督の様子。コメディーなので、演じている僕ら自身、思わず吹き出してしまうようなシーンも多々あったのですが、ふと見ると市井監督が目を潤ませていて。最初は、「えっ!?ここそういうシーン?」と心の中で驚いていたのですが(笑)、そういう姿を目の当たりにしたことで、スタッフもキャストもさらにひとつにまとまった感じがします。今、改めて振り返ってみると、「監督、あの時は笑ってゴメン」と謝りたい(笑)。ひと夏のいい思い出です。
――眞島さんが思う、ドラマ「サウナーマン」の魅力とは。
市井監督の作品は、どれも『人と人がどう繋がりを持つか』ということがテーマになっていて、それはこの作品も同じ。何もかも取っ払った裸という状況で、職業も立場もバラバラな人たちが、剥き出しの感情をぶつけ合う。その人間ドラマがやはり、一番の見どころなんじゃないかと思います。そのいっぽう、演じている僕らはタオル一丁で寒い思いをしながら、合間は全員バスローブ一枚でスタジオの長椅子に腰掛けながら撮影しました。そんな舞台裏を想像しながら見るのも一興かと思います(笑)。
――「おじさんはカワイイものがお好き。」では、何とも言えない愛嬌を放つユルキャラ"パグ太郎"をこよなく愛するイケオジのサラリーマン・小路三貴を演じました。
ポイントは、パグ太郎が好きで仕方ないんだけど、それを絶対に人に知られたくないという思いで生きている男だということ。人によっては、そんなこと隠さなくてもいいじゃないと思うかも知れないけど、小路は頑ななまでに、その一線を守ってきた。それが作品の肝になっている部分なので、そこだけはブレないように意識して演じました。
――作品としての面白さは、どんなところに感じていましたか?
おじさんが可愛いキャラをとても愛していて、それを必死に隠しているという設定自体が面白いんですけど、僕が興味を引かれたのは、今井翼君演じる可愛いもの好きの同志・河合ケンタとの距離感。ある程度、年齢を重ねてから知り合った男同士って、距離の取り方がすごく難しいですよね。上辺だけのビジネスライクな関係だったら、上手く立ち回れるんでしょうけど、"好きな物が同じ"という状況下だと、どれくらいの距離感が正解なのか途端に分からなくなる。好きを共有したいという思いのいっぽう、あまり近づきすぎると「気持ち悪いと思われるんじゃ...」と心配になっちゃいますから。そういう葛藤が、この作品の独特の雰囲気や面白さに繋がっているんじゃないかと思います。
――「LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~」で演じたのは、恋愛小説家として活躍するいっぽう、ワイン好きが高じてバーも経営している徳川良正。ヨシトモや小路とは、まったくベクトルの違うキャラクターでした。
ナルシズムが強いキャラで、空回りしている感じが、演じていてとても楽しかったですね。3人の中で、誰が一番、僕に近いかというと...どれも近くない(笑)。どんなキャラクターであれ、自分と似たような部分も、まったく違う部分もありますから。ただ、ひとつ言えるのは、どの役も楽しみながら演じているということ。それは、シリアスな作品でも、コメディーでも変わらないですね。
――男女それぞれの目線で描かれ、"恋愛実践トレーニングドラマ"と銘打たれた「LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~」。楽しみ方を紹介するなら。
笑いながら見られるというのが、この作品の一番の魅力なのかなと思います。こんな人いるんだ。うわーって感じで(笑)。作品の狙いや意図とはズレるかも知れないけど、個人的には純粋にコメディーとして楽しむのが正解なんじゃないかと思います。今回、放送される3作品は、いずれもテイストがまったく違う個性的なドラマ。それぞれの楽しみ方を見つけてもらえたらうれしいです。
ましま・ひでかず
1976年11月13日生まれ。山形県出身。
1999年公開の映画『青~chong~』で俳優デビュー。その後、映画、テレビドラマ、舞台、CMなど、様々なジャンルで活躍。近年の出演作は、大河ドラマ「麒麟がくる」、ドラマ「坂の途中の家」、「にじいろカルテ」ほか。主演を務めるドラマ「#居酒屋新幹線」(MBS・TBS)が放送中。出演映画『大怪獣のあとしまつ』『ある男』は2022年公開。
テキスト:海老原誠二
撮影:和田浩
ヘアメイク 佐伯憂香
スタイリスト momo
衣装協力 suzuki takayuki
放送情報
サウナーマン~汗か涙かわからない~
放送日時:2022年2月18日(金) 3:00~、2月23日(水)19:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
おじさんはカワイイものがお好き。
放送日時:2022年3月10日(木) 3:00~、3月10日(木)19:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
LINEの答えあわせ~男と女の勘違い~
放送日時:2022年3月25日(金) 3:00~、3月30日(水)19:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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