続編の制作も話題に!『翔んで埼玉』で二階堂ふみが見せた性別を超越するコメディエンヌっぷり

昨年の夏に続編の制作が発表され、埼玉県民のみならず、日本国民をザワつかせている『翔んで埼玉』。2019年に公開された同作は、埼玉をディスりまくっているにも関わらず、関東県民のみならず全国の人たちに愛され、世代を超えて楽しめるエンターテインメント作品として大ヒットを記録した。

『翔んで埼玉』に出演する二階堂ふみとGACKT
『翔んで埼玉』に出演する二階堂ふみとGACKT

原作は「パタリロ!」で一世を風靡した魔夜峰央の漫画で、『のだめカンタービレ』や『テルマエ・ロマエ』などで知られる武内英樹監督が実写化。物語を"架空の都市伝説"という設定にアレンジしたため、埼玉のみならず、千葉へのディスりも炸裂し、いがみあっていた埼玉県民と千葉県民が手を組んで連合軍として都庁に攻め入るというぶっとんだ映画を作り上げた。「最高すぎる」と絶賛された主役を演じたのは二階堂ふみ。初めての男性役にチャレンジし、金髪のワッフルヘアーに王子のようなコスチュームは、まるで魔夜峰央の漫画から飛び出してきたかのような存在感を放っている。GACKT演じる貴公子すぎる転校生・麻実麗とのコンビも初共演とは思えないほど息がピッタリだ。ドSなのに麗の前では乙女になってしまう二階堂の振り切れた演技が面白さを加速させている。

■映画で有名になった台詞を吐き捨てる二階堂のオーラがすごい!

壇ノ浦百美(二階堂)は官僚を育成する名門、白鵬堂学院の生徒会長であり、東京都知事の息子。クラスは住んでいる場所によって分けられ、A組は青山、赤坂住まい、E組は田無、八王子、Z組は埼玉生まれで掘立小屋のような離れを与えられ、完全に底辺の扱いをされている。高校のトップに君臨する百美がアメリカ帰りで都会指数の高い転校生・麗に校内を案内しようとしていると目の前に立ちはだかったのは医務室に行こうとするZ組の生徒たち。そのみすぼらしい姿を見て顔をしかめ、言い放つのが「埼玉県人には、そこらへんの草でも食わしておけ。埼玉県人なら、それで治る」という原作でもお馴染みの強烈な台詞だ。
キャラクターになりきった二階堂のオーラと表情、振り切った演技は、まさに最高。転校生がA組にふさわしいかどうかを格付けするテストでは、次々に難問をクリアしていく麗に向ける口惜しそうな表情に笑いを誘われる。麗に恋をしたとたん、悪魔から天使のように変貌を遂げるのもさすがの演技で、目が離せない。

■性別を超越する、二階堂の突き抜けたコメディエンヌっぷりに注目

オファーされた当初、原作では男性である百美の性別は女性に変更される予定だったが、自ら自分が男性役をそのまま演じた方が面白いのでは?と提案したという二階堂。そのアイディアは見事に成功。麗に突然、唇を奪われたことで世界が一変する百美だが、それから、ことあるごとに麗に『キスしたい』とねだる場面も、どこかコミカルだ。

恋したことで、"埼玉アレルギー"を克服していき、尊敬していた都知事の父親にかけられた疑惑の真相を追及していく展開では、男気を発揮。いつのまにか視聴者も二階堂の性別を超えたコメディエンヌっぷりとチャーミングさに魅了される作品だ。

文=山本弘子

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放送情報

翔んで埼玉
放送日時:2022年3月22日(火)19:00~、2022年3月27日(日)21:00~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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