中島健人中条あやみが喧嘩ばかりの偽カップルを好演した映画『ニセコイ』

中島健人と中条あやみがぶっ飛んだ役でW主演を務めた映画が2018年に公開された『ニセコイ』だ。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)のラブコメ史上で最長連載を果たした漫画で、後にアニメ化。中島は極道一家「集英組」のヘタレな一人息子・一条楽を、中条あやみは役のために金髪になり、アメリカのギャング組織「ビーハイブ」のボスの一人娘・桐崎千棘を演じている。

中島は王子様キャラの片鱗はあるものの、変顔全開。中条も見ているうちに日本人に見えなくなってくるほどワイルドな千棘になりきっている。訳あって恋人のふりをしなければならなくなった2人のことを神出鬼没で監視しまくる「ビーハイブ」の幹部・クロード(DAIGO)の変身ぶりも面白く、島崎遥香、岸優太(King & Prince)など脇を固めるキャストもいい味を出している。"バカップル"ならず"ケンカップル"と形容された中島と中条のコミカルで胸きゅんな演技を振り返ってみると?

■罵倒し合うモヤシ男とゴリラ女が偽物の恋人=ニセコイに

極道一家に生まれた楽は、毎朝コワモテ軍団に送り出され、「俺はまっとうに生きたい」と嘆く高校生。特技は妄想で、6才の時にプロポーズした女の子を未だに忘れられないでいる乙女系男子だ。出会いは遅刻ギリギリで閉まりかけの校門に飛び込んだ楽が、門を飛び越えてジャンプしてきた千棘から飛び蹴りをくらったこと。

映画『ニセコイ』に出演する中条あやみ
映画『ニセコイ』に出演する中条あやみ

(C)2018映画『ニセコイ』製作委員会 (C)古味直志/集英社

千棘はN.Y.から来た転校生。同じクラスになることが判明した途端、「さっきの暴力女!」、「白いし、細いし、モヤシみたい」、「だったらお前はゴリラ女だ!」とバチバチの喧嘩が勃発。そんな出会った瞬間から天敵の2人が、"抗争を避けるため"という親同士の都合で、偽カップルにさせられることから物語が展開していく。クラスの清純女子・小野寺小咲(池間夏海)に片思いをしている楽と、ひ弱な男子には興味なしの千棘は仕方なく、お互いを"ハニー"、"ダーリン"と呼び合い、子分やギャングに見張られながら、ひとときも安らげないデートをするハメに。

本作で「脱・清純派」に挑んだ中条は、すぐにキレて手が出るダイナミックな女子高生を好演。映画館で爆睡している時の顔や、小咲たちと勉強会をする時の退屈顔など、それまでの中条のイメージを見事に覆す演技だ。

楽を演じるにあたって漫画を研究しまくったという中島は、実写版ならではのオーバーアクションを含めて"ここまでやる?"と思うほど。驚愕の表情や気が抜けまくった顔では、持ち前の王子様キャラを気持ちいいほど粉砕している。

■中島と中条の「ロミオとジュリエット」は後半のハイライト

ピンクのスーツにピストルでボディガードの任務を遂行するクロードが、時には体操着のおさげ髪女子や学校の警備員に、時には肝試し大会のジョーカーに扮して、鋭い眼差しで張り込んでいるため、どうあっても普通の青春時代が遅れない2人。しかし後半では思わぬ過去が明らかになり、ロマンティックなムードに移行していく。

学園祭での出し物「ロミオとジュリエット」をハプニングに見舞われながらも2人で演じるシーンは、本作のハイライト。学生たちの中に混ざった組員から「よっ!坊ちゃん!」と野太い声援が飛び、クロードたちも見守る中、両家の抗争(対立)を描いたシェイクスピアの名作をとんでもない方向に持っていく中島と中条の演技がドキドキさせてくれる。

文=山本弘子

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放送情報

映画『ニセコイ』
放送日時:2022年6月30日(木)1:40~
チャンネル:TBSチャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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