林遣都が動物愛に溢れた犬バカに!中川大志大原櫻子らとともにペットに向き合う映画『犬部!』

仲野太賀とW主演を務めるミステリアスコメディー「初恋の悪魔」がスタートしたばかりの林遣都。2人の共演というだけでも期待は募るが、林遣都主演で公開された映画『犬部!』はコミカルな面もありながら、昨今、特に問題となっている動物愛護へのメッセージも込められた作品だ。原案は「北里大学獣医学部 犬部!」(片野ゆか著)で、青森県十和田市の北里大学に実在した動物保護サークル「犬部」を立ち上げた主人公、花井颯太を演じているのが林遣都。"犬バカ"過ぎる熱い男、颯太と共に活動することになる動物を愛する優しい男、柴崎涼介を中川大志を演じ、"猫バカ"ゆえ、「犬部」の猫担当になる佐備川よしみを大原櫻子が演じている。殺処分される犬が一匹もいなくなる世界を目指している颯太の突き抜け方はハンパなく、行き場のない犬たちを自分のアパートで飼って、お金がない時につい食べてしまうのはドッグフードのカリカリ。動物が犠牲になる大学の外科実験を断固、拒否し、柴崎に実験をしないと国家試験が受けられないと諭されても動物病院の現場で学びたいと教授を説得する。その信念には一点の曇りもなく、犬ファーストなため、他者の視線など気にしないでグイグイ突き進んでいく。映画には動物保護センターの現実などシリアスな場面も多々、登場するが、林遣都演じる主人公がぶっ飛んでいるからエンターテインメントとして観ながら考えさせられる。そのバランスが絶妙だ。

『犬部!』で"猫バカ" 佐備川よしみを演じた大原櫻子 (C)2021「犬部!」製作委員会
『犬部!』で"猫バカ" 佐備川よしみを演じた大原櫻子

(C)2021「犬部!」製作委員会

(C)2021「犬部!」製作委員会

■犬バカなあまり、逮捕までされる主人公を林が熱くコミカルに演じる

本作では学生時代の思い出と社会人として奮闘する現在が交互に描かれている。「犬部」リーダーの颯太は自身の病院で獣医師として働き、よしみは動物のワクチン開発に携わる研究者になり、柴崎は十和田の動物愛護センターに勤務していたものの行方不明に。颯太の情熱に惹かれて部に入った秋田(浅香航大)は動物病院を経営する父親のもとで働いている。卒業後、柴崎をのぞくメンバーが集結するのはペットショップで颯太が起こした事件。颯太の病院を訪ねてきた女性(田辺桃子)に劣悪な環境で飼育されているペットショップについて相談され、見ていられずに引き取ってしまい窃盗容疑で逮捕されてしまうのだ。「犬部の時と同じじゃないですか」「学生じゃないんだから」と仲間に怒られるが、颯太は諦めない。何度も店主のもとを訪ね、水をかけられてもペットフードをたくさん買い込んで持っていく。学生時代から自転車はいつも立ち漕ぎで、とにかく必死。必死すぎてどこかコミカルな愛すべき犬バカぶりを林遣都が表情豊か、味わい豊かに演じている。

(C)2021「犬部!」製作委員会

■変わらない颯太に救われる柴崎とよしみが演じた光と影

職業は違っても目指すところは同じだと別の道を選んだ中川演じる柴崎を探し出すのは颯太だ。学生時代から繊細だった柴崎は動物愛護センターで殺処分を減らすべく様々なことに取り組んでいたが、その残酷な現実に心が引き裂かれてしまう。限界に達し、我を失う中川の演技は真に迫っていて、映画の中で最も切ないシーン。猫の多頭飼いで病気を感染させてしまったことがある大原演じるよしみも、その罪悪感からワクチン開発に没頭しているが、颯太と再会したことで徐々に学生時代のような笑顔を取り戻していく。光も影もふくめて、真正面から動物たちに向き合ったハートフルで泣ける映画だ。

文=山本弘子

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放送情報

犬部!
放送日時:2022年7月12日(火)17:15~
チャンネル:WOWOW4K
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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