長距離走選手として完成度の高い肉体を林遣都が披露!小出恵介演じる主将との絆も感じられる青春群像劇「風が強く吹いている」

大学生たちが母校の威信をかけ、10人で一本のタスキを繋いで走る箱根駅伝。そんな国民的スポーツをテーマに陸上部員たちの無謀ともいえる挑戦と絆を描く映画「風が強く吹いている」。直木賞作家・三浦しをんによる同名ベストセラー小説を小出恵介・林遣都の主演で映画化した本作は、寄せ集めの弱小陸上部が箱根駅伝を目指す青春群像劇だ。

(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会

大学の陸上部主将・ハイジ(小出恵介)は、新入生・カケル(林遣都)の走りを見て、自身が寮長を務める学生寮にカケルを入居させる。個性的な8人の面々が暮らす寮にカケルを迎えて10人揃ったと喜ぶハイジは、とんでもない目標を宣言する。それは、この寮に住む10人で箱根駅伝を目指すというものだった。カケルは高校時代に陸上の天才選手だったものの、ハイジとカケル以外は素人同然。カケルは猛反対するが、この仲間でタスキを繋ぎたいという夢を抱くハイジ、彼のためならと立ち上がった仲間たちと共に、箱根への切符をつかむために特訓を開始する。

高校時代に天才ランナーとして名を馳せたものの、ある事件を起こした過去を持つカケル。そんな孤高の青年を演じるのが林遣都だ。彼はデビュー作「バッテリー」(2007年)で天才的な中学生ピッチャーを演じて高く評価されたことを皮切りに、キャリア序盤では「DIVE!!」(2008年)など青春スポーツものへの出演が相次いだ。

本作で林は天才陸上選手という役柄を演じるが、まず目を引くのはその体つきだ。細い手足と引き締まったボディラインは、まさに長距離選手の肉体そのもの。さらに走りのフォームも美しく、撮影の過程で陸上連盟の委員長からスカウトされたというエピソードまであるほどだ。厳しいトレーニングを経て完成度の高い肉体を具現化しながらも、大きな瞳が印象的な彼の表情には、まだ少年の面影が残っている。そんな彼の顔つきや表情が、人間的に未熟な部分を持つカケルを演じるにあたって大きな役割を果たしているといえるだろう。真っ直ぐすぎるがゆえに周囲とぶつかりながら、仲間と苦楽を共にする中で満面の笑顔を見せるようになるカケル。そんな彼を応援せずにいられないし、またそんなカケルを体現した林に拍手を送らずにはいられない。

そんなカケルの人生を変えたのが、彼を陸上部に引き入れたハイジだ。小出恵介が演じるハイジはエリートランナーだったが、故障により一度は陸上を諦めた過去がある。挫折の痛みを知る彼は、だからこそ誰よりも優しくて強い。懐の広さも器の大きさも、「自分にはないことだらけ」と公開当時のインタビューで語っていた小出だが、チームの大黒柱を堂々と演じている。仲間たちの強みを知り尽くし、ひとりひとりの可能性を信じ、最後まで夢を諦めないその姿は、誰もが支えてついていきたくなるリーダーそのものだ。

ハイジとカケルが相対する場面は、やはり物語の中で重要なシーンといえる。印象的なのは、温厚なハイジが初めてカケルと正面からぶつかり合ってケンカをするシーン、そして決戦の朝を迎えた2人が言葉を交わすシーンだ。どちらもハイジの信念やカケルの成長、そして2人の絆をしっかりと感じられる場面に仕上がっている。小出と林、そして若手キャストたちによる必死のトレーニングと、ひとりひとりの選手を個性豊かに表現した演技が結実した、一見の価値がある作品といえるだろう。

文=本永真里奈

放送情報

風が強く吹いている
放送日時:2022年12月11日(日)06:15~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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