三浦春馬のミステリアスな魅力！水川あさみ、池田エライザ、尾野真千子のリアルな演技も

コロナ禍によって気兼ねなく海外旅行や観光ができなくなって久しいが、旅に訪れたような感覚を味わえるドラマが、Paraviオリジナルドラマとして2018年に放送された「tourist ツーリスト」だ。本作はバンコク、台北、ホーチミンを舞台にした3編のオムニバス。それぞれ悩みを抱えた女性が各地で旅を続けていく中、ミステリアスな男性と出会い、本当の自分を見つけ出す様子が描かれていく。

それぞれのヒロインを水川あさみ、池田エライザ、尾野真千子が演じており、ヒロインたちを取り巻く人間模様が際立った未公開シーン含む「フルバージョン」と、ヒロインたちを異国の地で魅了する三浦春馬演じる謎めいた男・天久真の目線で描かれた「天久真バージョン」が存在する。ドキュメンタリーテイストで海外オールロケが敢行され、各地の観光名所や名物グルメも数々登場、加えて役者たちの自然体な演技が見どころの一つだ。

第1話で水川が演じたのは、仕事も恋愛も頑張っているのになぜか満たされないテレビ局プロデューサーのさつき。行き詰まりを感じて足を運んだ、独特の死生感が根付くバンコクが舞台だ。そこでカバンを盗まれた天久と出会い、時間を持て余していたさつきは、財布も失った天久を食事に誘い、妙な交流を深めていく。

古い習わしと近代文化が融合した台北を舞台にした第2話。池田演じるホノカは結婚を決意し、独身最後の思い出づくりに台北を訪れる。とある市場で男につけまさわると、そこで出会った天久に恋人のふりをしてもらい、成り行きで一晩だけの恋人ごっこをすることになる。

第3話の舞台は発展著しいホーチミン。尾野演じる一児の母で離婚調停中のカオルは、愛人と浮気中の夫を追い、皮肉にも思い出の地ホーチミンを訪れる。クラブで泥酔し、天久と最悪の出会いを果たすと、無礼を詫びるため食事へ誘い、夫との思い出の地を上書きして回っていく...。

水川、池田、尾野がリアリティのある演技で、女性が抱える葛藤や違和感といった感情を浮かび上がらせている。一方で、三浦は謎めいたイケメン・天久をどこか浮世離れしたような雰囲気を漂わせながら表現した。

さつきとのシーンで余裕を感じさせたかと思えば、ホノカとの偽りの恋人関係では無邪気な笑顔を覗かせ、傷つくカオルに静かに寄り添うような包容力を見せた。それぞれの共演者に合わせて異なるテイストの演技を披露しながらも、共通してつかみどころのない色気を見せており、この3編のオムニバスで様々な魅力を放っている。

現地の映像や雰囲気に加え、女優たちの自然な演技とどこか不思議な感触を与えてくれる三浦の存在感は、まるで旅先で過ごしているかのような異国情緒を味わえるはず。今年の夏は本作でアジア3都市を巡るのも悪くないかもしれない。

文＝HOMINIS編集部

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