松雪泰子の演技に釘付け!珍しい坂口憲二の汚れ役も見れる松本清張原作のサスペンス「顔」

サスペンスの帝王・松本清張の短編を原作とするドラマ「顔」は、過去に10回以上映像化されてきた。近年では、2013年にフジテレビ開局55周年特別番組として放送され、松雪泰子がヒロインを演じている。

原作小説では主人公は男性なのだが、映像化作品では1957年の岡田茉莉子主演をはじめ、女性が主役になるパターンが多い。ちなみに、同作が松本清張作品としては初の映画化だった。

2013年の松雪版は、時代設定は昭和22年とその9年後としている。まずはあらすじを紹介しよう。舞台は戦後間もない九州。小暮涼子(松雪)は、アメリカ兵相手に大衆酒場で働きながら女優になる夢を描いていた。酒場で出会った男・飯村(坂口憲二)と交際を始め、女優になる夢を打ち明ける。すると飯村は「オレは映画監督と知り合いだから紹介してやる。だが、そのためには金が要る」という。

 悪役の雰囲気が漂う坂口憲二
悪役の雰囲気が漂う坂口憲二

(C)フジテレビジョン

夢をつかむために涼子は、それまで懸命に働いて貯めた大金を飯村に渡す。しかし、飯村の話は真っ赤なウソだった。復讐に燃える涼子は、飯村の殺害を決意。完全犯罪を目論んで飯村を葬り去ったのだが、1つだけ誤算があった...。道中で、飯村がかわいがっていた真奈美(田中麗奈)と遭遇していたのだ。

(C)フジテレビジョン

時は流れ、上京した涼子は女優になり、ついに主演映画のオファーが舞い込んでくる。大女優へのステップアップとして千載一遇のチャンスだったが、秘密を知っているかもしれない真奈美の存在に怯える涼子は、ある決意を固めるのだった...。

本作の魅力は、とにかく主演の松雪泰子の演技に尽きるといっていい。相当な意欲をもって涼子役に挑んだと思える彼女の本気度が伝わってくるようで、全編が静かな迫力に満ちている。冒頭でのみすぼらしい姿も真に迫っていたが、飯村の言葉を健気に信じてしまう弱さと純粋さにも惹かれる。そして飯村の正体を知った時の激しい怒り...。殺意を抱くまでの狂気を納得させるほどの表現力には脱帽ものだ。

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放送情報

松本清張:顔(2013/10/3)
放送日時:2022年8月2日(火)09:30~、8月7日(日)02:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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