
一方、どん底だったトモキに手を差しのべ、演じ屋の仲間に引き入れたアイカ。仲間たちからも信頼され、1本芯の通った明るい女性だが、その心の奥底には、過去のとある出来事が原因で生じた、強い復讐心があった。そんなアイカを演じる奈緒は、彼女自身が持つ柔らかさの中にある芯の強さ、そして心の葛藤といった複雑な感情を見事に演じきっている。
"演じる"ということがモチーフとなる本作は、二転三転するストーリー展開が魅力。そして1話30分で全6話というコンパクトさで、その語り口は非常にテンポ良くスピーディー。そしてコミカルさの中にも、社会の闇にも切り込む描写を織り込むなど、見応えのあるストーリーとなっている。

本作のベースとなったのは2000年代初頭に野口照夫監督が制作した自主映画の連作シリーズ『演じ屋』(全9話、2019年に続編の「reDESIGN」が制作された)。当時、"暗い"と言われていたインディーズ映画の概念を覆すようなポップで娯楽性に富んだ作風。映画ながら続きが気になるところで1話が終わる連続ドラマ形式。インターネットと連動した展開を行うなどの斬新なスタイルで、多くの熱狂的な女性ファンを獲得。当時、売り上げ不振に陥っていた下北沢の短編映画館「トリウッド」の閉館危機を救った作品としても伝説となっている。
そんな元祖『演じ屋』で主人公コンビを組んでいた笠原紳司、今井孝祐だが、実は今回のドラマ版にも主要キャストとして出演している。演じ屋のリーダー、松田英太(笠原)、演じ屋の情報源となる謎の制服警官、衣笠源二郎(今井)という役柄で登場するので、そちらにも注目だ。
文=壬生智裕






反町隆史、亀梨和也ら豪華すぎるオールスターキャストが「北方謙三 水滸伝」で演じる"梁山泊"の面々" width="304" height="203" loading="lazy" fetchpriority="high">

