高橋のぼる原作の人気漫画を宮藤官九郎脚本、三池崇史監督のタッグで実写化した『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』(2014年)。出演陣には主演の菊川玲二演じる生田斗真をはじめ、仲里依紗、岩城滉一、堤真一といった豪華キャストが名を連ね、2014年上半期の邦画興行収入第7位の21億9000万円を記録。その後、全3作が製作される人気シリーズとなり、いずれも大ヒットとなった。
そんな実写化第2作となる極悪非道のチャイニーズマフィア仙骨竜との抗争を描いた『土竜の唄 香港狂騒曲』(2016年)が、WOWOWプライムで10月5日(水)に放送される。
モグラ(潜入捜査官)として広域暴力団数寄屋会に潜入し、極道の世界で信用を集めていく菊川怜二。ある日、数寄矢会会長の轟周宝より仙骨竜を叩きのめすというミッションが与えられ、轟の娘・迦蓮のボディーガードとして会長の家に住むことになる。時を同じくして、警視庁組織犯罪対策部に正義感あふれるエリート警官・兜真矢が就任。数寄矢会とつながる玲二は味方であるはずの警察から目の敵にされてしまう。
裏社会の抗争というシリアスな内容ながら宮藤らしいギャグの連打で極上のコメディへと昇華させている本作だが、新たにキャストに加わったヒロインの本田翼の演技も話題を呼んだ。
10月18日(火)放送開始の「君の花になる」(TBS系)に主演の仲町あす花役で出演するなど、今や人気若手女優の1人である本田。
持ち前のほんわかとしたキャラクターから清純派のイメージが強いが、今回演じた迦蓮は奇跡の処女と評される半面、サディスティクな言葉と態度で玲二を振り回すわがままで過激な極道のお嬢様。作中では玲二をめぐって迦蓮と若木純奈が恋の火花を散らすなか、予告編でも使用された「ババアじゃねえところだよ」などのガサツなセリフや、お色気全開で玲二に初体験を迫るシーンなど、その演技は本田のイメージを覆すかなりはっちゃけたもの。彼女自身、「私へのイメージが変わるんだろうな」と振り返っているように、女優として新たな境地を開拓するのに十分すぎる演技といえる。
また、物語のキーマンとなる永山瑛太演じる兜の役回りも見逃せない。エリート警察官として執拗に極道を目の敵にする兜。しかし、ストーリーが進むにつれて徐々に隠された裏の顔が明らかになると、玲二との対立はどんどん深まっていく。はたして2人の対決はどのような結末を迎えるのか。
文=安藤康之
放送情報
土竜の唄 香港狂騒曲
放送日時:2022年10月5日(水)12:50~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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