アメリカを中心に転戦するインディカー・シリーズの一戦である「インディ500」。正式名称は「インディアナポリス500マイルレース」で、例年5月第4週の日曜日に、アメリカ・インディアナ州のインディアナポリス・モータースピードウェイで決勝レースが開催されている。F1モナコグランプリ、ル・マン24時間レースと並ぶ、世界三大レースのひとつで、第1回開催が1911年(F1モナコグランプリは1929年~、ル・マン24時間レースは1923年~)と、その歴史は最も古く、今年で第102回を迎える。昨年は、F1に参戦中のフェルナンド・アロンソがインディ500に参戦した。過去2度のF1ワールドチャンピオンに輝いている名レーサーが、同日に決勝レースが行われたF1モナコグランプリを欠場してまで出場するほど価値の高いレース、それがインディ500なのだ。
レースが開催されるインディアナポリス・モータースピードウェイは楕円状のオーバルコースで、2本のストレート(直線)と、バンク(傾斜角)のついた4つのコーナーで形成されている。スタート/フィニッシュラインはレンガが敷かれており、これは第1回開催当時のコースがレンガ敷きだったためで、アスファルトのコースになってからも、それを残しているのだ。1周は2.5マイル(約4.023㎞)で、それを200周、つまり500マイル(約804.672㎞)走行するので、インディ500と呼ばれている。F1の最速平均速度が約250㎞なのに対し、インディ500の平均速度は約350㎞を超え、最高速度は約400㎞にもなる。まさに最速を競う究極のレースだ。
例年、インディ500は決勝日だけで30万人を超える観客が集まり、世界最大規模のレースで賞金も破格だ。賞金総額は15億円以上と言われており、優勝賞金は決勝レースで追い越した台数など細かなボーナス規定があり、3億円近くにもなる。昨年優勝した佐藤琢磨は、245万8129ドル(約2億7280万円)を手にしている。F1のような決勝1~3位の選手が上がる表彰台は使わず、表彰されるのは優勝選手とチームの代表者のみ。そして華々しい栄光を浴びる優勝選手は、F1のようなシャンパンではなく、大観衆の前で牛乳を飲むのが恒例となっている。これは1936年に優勝したルイス・メイヤーが好物のバターミルクを飲み干したことが始まり。それ以降、優勝者に牛乳が渡されるようになった。
今年も佐藤琢磨が優勝し、牛乳を飲むシーンが見られるのか、"モータースポーツの聖地"で繰り広げられる熱戦に注目だ。
文=エンターバンク
放送情報
「第102回インディ500」予選~インディアナポリス~
放送日時:
■予選1日目2018年5月20日(日)5:00~
■予選2日目2018年5月21日(月)5:00~
チャンネル:BSスカパー!
「第102回インディ500」決勝~インディアナポリス~
放送日時:2018年5月28日(月)0:00~
チャンネル:GAORA SPORTS
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