サッカーJリーグのヴィッセル神戸に、FCバルセロナ、スペイン代表で活躍した世界的名選手のアンドレス・イニエスタが加入して話題を呼んだが、ラグビーでもイニエスタに勝るとも劣らないスーパースターが来日した。それが、ジャパンラグビー トップリーグの神戸製鋼コベルコスティーラーズに加入したダン・カーターだ。
SO(スタンドオフ)でプレーし、世界最高の司令塔と呼ばれるカーター。2003年に世界最高峰リーグのスーパーラグビーにクルセイダーズ(ニュージーランド)から初参戦し、同年にニュージーランド代表(オールブラックス)デビューも果たした。2015年までプレーしたスーパーラグビーでは141試合に出場、通算最多得点記録(1708点)を保持している。ニュージーランド代表では、自国開催だった2011年のワールドカップは負傷のため途中離脱したが、2015年のワールドカップではチームを引っ張り、オールブラックスの2連覇に貢献した。通算112キャップを誇る代表からは退いたものの、テストマッチ通算1598得点は現在も世界歴代1位に君臨している。そして国際ラグビー統括機関、ワールドラグビーの年間最優秀選手に5回ノミネートされ、2005、2012、2015年と、史上最多タイとなる3度のMVPを受賞している。
まさに世界のラグビーシーンを牽引してきたカーターは、左足から放つ正確無比なキック、長短織り交ぜた多彩なパス、鋭い瞬発力を誇るラン、そして勇猛果敢なタックルなど、すべてのプレーに秀でている。なかでもキックの精度は別格で、本人も「私は2歳の時からラグビーボールを蹴っていて、キックは強味のひとつだと思います。私は狙った場所にボールを落とし、冷静にポストの間を通します。それがオールブラックスで多くの得点をあげられた理由でしょう」と、キックには絶対の自信を持っている。
そんな世界的名プレーヤーのカーターが加入したことで、神戸製鋼はもちろん、その影響力はトップリーグ全体に広がり、日本のラグビーをレベルアップさせていくはずだ。それは来年に迫ったラグビーワールドカップ日本大会を成功へ導く要因のひとつになるに違いない。2年契約で来日したカーター自身も「美しい国、日本を大変気に入りました。自分のキャリアを日本で終えることにとても興奮しています。私はワールドカップに4回選出されましたが、来年は初めてリラックスして素晴らしい大会を観られると思います」と語っており、カーターの存在がワールドカップの気運を盛り上げてくれそうだ。今シーズンのトップリーグは、世界最高峰のスーパースター、ダン・カーターの一挙手一投足から目が離せない!
Profile
1982年ニュージーランド生まれ。スーパーラグビーのクルセイダーズ、ニュージーランド代表で活躍し、2015年のワールドカップ優勝後は、フランスのラシン92に移籍し、その年のフランスTop 14優勝に貢献。また、同チームをヨーロピアンチャンピオンシップ決勝へと導く。今季から日本の神戸製鋼でプレーする。
文=エンターバンク 取材=村上晃一 撮影=谷本結利
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放送情報
ジャパンラグビー トップリーグ18/19 第1節神戸製鋼 vs. NTTコミュニケーションズ
放送日時:2018年8月31日(金)19:00~
チャンネル:J SPORTS 1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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