9月20日(金)に開幕する、ラグビーワールドカップ2019に向け、ますます熱気を帯びてくる日本ラグビー界。日本代表候補が多く所属するヒトコム サンウルブズは、スーパーラグビーの終盤戦に突入する。なかでも注目を集めるのは、3月に左ひざを負傷するも、5月に復帰を果たした姫野和樹だ。
■中学時代に腕相撲で教師の腕を"破壊"した怪童
身長187㎝、体重108㎏の巨体で、外国人選手に引けをとらないフィジカルを誇る姫野。幼少時から体格に恵まれ、中学1年からラグビーを始めると、2年時には身長が180㎝近くに成長していた。3年時には腕相撲で空手経験者の社会科教師に完勝するという怪童ぶりを発揮。教師は腕の靭帯を損傷し、ギプス生活を送ることになったという。愛知・春日丘高校(現・中部大学春日丘高校)に進んだ姫野は、1・2年時に花園の全国高校大会に出場。3年時には高校ジャパンを飛び越えてU-20日本代表などにも選出されている。そのパワーは当時から群を抜いており、高校の監督は姫野を他部員のタックル練習に参加させなかった。それは、チームメートが怪我をしてしまう怖れがあり、また本人が遠慮し、手加減してタックルする癖をつけさせたくなかったためだ。
■帝京大学では怪我で不完全燃焼も、心身は大きく成長
高校を卒業すると姫野はラグビーの名門・帝京大学へ進学。1年の夏に早くも日本代表候補の合宿に招集されるが、そこで不運に見舞われてしまう。合宿初日に左足を骨折してしまったのだ。その影響で3年生になるくらいまで満足にプレーできず、ベンチスタートや途中交代が多かった。だが、結果的にこれが姫野の将来にはよかった。選手層の薄いチームであれば無理をして試合にフル出場し、怪我が長引いたり、体を壊してしまっていたかもしれない。強豪の帝京大だったおかげで適度な休養をとれ、成長する伸びしろが潰されることはなかったのだ。
■突進力とタックルでワールドカップでの大ブレイク必至
大学を卒業し、2017年に地元・愛知のトヨタ自動車ヴェルブリッツに加入した姫野は、南アフリカをワールドカップ優勝に導いている名将ジェイク・ホワイト監督から、いきなりキャプテンに指名される。ルーキーがキャプテンを務めるという異例の抜擢だったが、姫野はシーズンの新人賞、ベストフィフティーンをダブル受賞する活躍で期待に応えてみせた。そして同年11月のオーストラリア戦で日本代表初キャップを獲得し、いきなり初トライも決めている。パワーあふれる突進力と、ハードなタックルが持ち味の姫野。精悍なマスクと、鍛え抜かれたマッスルボディで人気上昇中だ。前回のワールドカップでは五郎丸歩が世間の注目を集めたが、今回のワールドカップでは姫野が大ブレイクする可能性大だけに、その一挙手一投足は必見だ。
Profile
姫野和樹(ひめのかずき) 1994年愛知県生まれ。帝京大では全国大学選手権8連覇に貢献。2017年からトヨタ自動車、日本代表で活躍し、昨年からヒトコム サンウルブズにも加入。おもに№8、FL(フランカー)、LO(ロック)を務める
文=エンターバンク
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放送情報
スーパーラグビー2019
放送日時:2019年6月1日(土)13:30~ ほか
チャンネル:J SPORTS 2 ほか
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