2015年のワールドカップ予選リーグで当時同組世界ランク最高位、そして優勝候補の一角と前評判の南アフリカを撃破し、一大センセーションを巻き起こしたラグビー日本代表。その人気を一過性のものではなく、さらに盛り上げて2019年の日本開催のワールドカップを迎えるべく、11月にテストマッチとして、強豪国のオーストラリア、トンガ、フランスと対戦する。特にオーストラリア戦は日本で行われることもあり、盛り上がり必至のカードとなっている。
現在、代表チームは、2015年のチームを率いたエディ・ジョーンズ監督(オーストラリア)から、ジェイミー・ジョセフ監督(ニュージーランド)へバトンタッチし、新体制へ移行。そんな中、2015年の日本代表でキャプテンとして戦ったリーチ マイケルが、1年のブランクを経て代表に復帰した。今回はそんなリーチ マイケルに、復帰後の感想や今後の日本代表の活躍に対する思いなどを語ってもらった。
「伸びしろはものすごくある」
代表復帰時の感想を「すごくワクワクした」と語るリーチ マイケル。ジョセフ監督に対しては「ジョーンズとは試合に対してのアプローチが、真逆くらいに全然違う。でも勝ちたいという思いがあり、勝つプロセスにフォーカスする部分は、共通していると思う」とその印象をコメント。現在のチームの課題としては、もともと日本のラグビーでは不得意といわれているアンストラクチャー攻撃(組織的な陣形を崩した状態で行う攻撃)を挙げつつも、「今回はマインドを変え、それを増やす方向にある。伸びしろはものすごくある」と期待を寄せる。
ジョセフ・ジャパンではまだ多くの試合を経験していないのが現状で、チームの自信をつけるためにも「自分たちのやっていることが正しいと証明する意味でも、勝ちに行く」と11月の試合に対して大きな意欲を見せる。特に現在世界ランク3位のオーストラリアに対しては「トップ4の国とやれるチャンスは、今まであまりなかった。優勝を狙えるチームと実際に試合をすることで、自分たちの課題を洗い出す絶好の機会でもある」ととらえている。6月に対戦し大敗を喫したアイルランドと比べ、オーストラリアの攻撃スタイルには「北半球、南半球のチームの違いがあって、オーストラリアの方がやり易い」と意外にも相性の良い印象をもっているようだ。
「今までで一番のプレッシャー」
2015年のワールドカップで快挙を挙げてからは、ラグビー自体が世間から注目され、かつ2年後は国内試合での結果を求められている。そんな現状に対してプレッシャーがあるかをたずねると「今は感じていない。でもこれから100倍くらいになるんじゃないかな。特に今回のワールドカップは、今までで一番のプレッシャーを受けると思う。でも結果を残すことが、これからの日本のラグビー界にかかってくる」と真剣に心にとめていることを明かす。そして「まず今は練習をしっかりやって、次のキャンプくらいからちょっとずつプレッシャーを掛けていきたい」と、気を引き締める様子も見せた。
レギュラーポジション争いについては「(メンバーが)固まってないから、チャンスはある」と、その一角に食い込む意欲を見せている一方で「若い選手も出てきて面白い。パワーも伸びしろもあるし、メンタルの強いメンバーが多い」と若手にも大いに期待を寄せる。合わせて現在のチームの中での自身の役割を「若く経験の少ない選手がたくさんいる中で、ワールドカップを2回戦った経験を生かし、自分の力、パフォーマンスを出す支援など、個人のサポートとチームのスタンダードを引き出すためのサポートの役割をする」と、チームを支える役に立つ覚悟も見せている。
大いなる覚悟で臨む2019年のワールドカップ。その展望を占う意味でも、11月の3試合は重要な通過点となる。2015年以上の大健闘に向けて、その結果にはぜひ期待したいところだ。
Writer:桂伸也
※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。
「ラグビーワールドカップ2019日本大会」特集はこちら↓↓
放送情報
[多][初] ラグビー 日本代表テストマッチ2017 『日本 vs. オーストラリア』 (2017/11/04 日産スタジアム)
放送日時:2017年11月4日(土) 14:15~17:00
チャンネル:J SPORTS 1
[多][初] ラグビー 日本代表テストマッチ2017 『日本 vs. トンガ』
放送日時:2017年11月19日(日) 1:00~3:30
チャンネル:J SPORTS 1
[多][初] ラグビー 日本代表テストマッチ2017 『フランス vs. 日本』
放送日時:2017年11月26日(日) 4:30~7:15
チャンネル:J SPORTS 1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
詳しくはこちら