振り飛車の未来を示せるか。藤井聡太王将に菅井竜也八段が挑戦する「王将戦七番勝負」の展望はいかに

王将戦七番勝負で菅井竜也八段を迎え撃つ藤井聡太王将
王将戦七番勝負で菅井竜也八段を迎え撃つ藤井聡太王将

Ⓒ囲碁・将棋チャンネル

菅井は現代のトップ棋士では唯一の振り飛車党。このところ他のトップ棋士も振り飛車を採用することが増えているが、長い間指し続けているのは菅井のみだ。よって七番勝負も振り飛車シリーズになるだろう。
 
これまでの対戦成績は藤井から見て9勝4敗となっている。タイトル戦での顔合わせは春の叡王戦五番勝負以来2回目。そのシリーズは藤井が3勝1敗で防衛だったが、内容的には藤井が苦しんだシリーズだった。1勝1敗で迎えた第3局は相穴熊から菅井が見事な指し回しで優勢に。そのまま押し切られるのが普通だが、藤井はすさまじい粘りを見せて大逆転を収めた。続く第4局の千日手指し直し局も菅井の指し手が冴えて優勢になるが、決め手が見えずに2度目の千日手になる。打開していれば菅井に分があったため、こちらももったいない将棋ではあった。スコアが逆でもおかしくない内容だったろう。
 
そのシリーズは菅井が三間飛車で美濃や穴熊を使っていたが、菅井の作戦は幅広い。昨年の順位戦では中飛車、今年の将棋日本シリーズでは四間飛車で藤井と戦っている。どこに飛車を振るかも毎局注目されるだろう。藤井も中飛車以外に対しては持久戦が多いため、ガッチリ囲い合う対局が見られそうだ。

前回の叡王戦は一日制4時間と短かったが、今回の王将戦は二日制の持ち時間は8時間。藤井は時間が長い方が力を出し、菅井は逆に短い方が強みを発揮する印象がある。藤井に分があるだろうが、叡王戦での戦いぶりの再現にも期待したい。振り飛車の未来を示せるか、注目の七番勝負だ。

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文=渡部壮大

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放送情報【スカパー!】

王将戦開幕直前 挑戦者 菅井竜也 リーグ一挙放送
放送日時:1月1日(月)10:00~18:00
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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