藤井聡太名人に豊島将之九段が挑戦する、第82期名人戦七番勝負の展望はいかに!?

⒞囲碁・将棋チャンネル
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藤井聡太名人に豊島将之九段が挑戦する第82期名人戦七番勝負。混戦のA級順位戦を制した豊島が第78期以来の名人戦登場を決めた。

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展望記事では毎回同じことを書いているようだが、藤井は相変わらずの勝ちっぷりだ。早指しでこそ決勝の負けが続いているが、タイトル戦では死角がない。中でも二日制の安定感は抜群で、八冠達成後の竜王戦、王将戦では内容でも圧倒して連続ストレート勝ちを収めている。二日制9時間と最も持ち時間の長い名人戦では、さらなるパフォーマンスの高さを見せてくれることだろう。タイトル戦での無敗記録をどこまで伸ばすかにも注目が集まっている。名人戦では昨年が初の戴冠で、今年は初の防衛戦だ。

豊島は今期のA級順位戦を7勝2敗での名人挑戦。6連勝と独走していたが、そこから連敗で混戦に。しかし、最終戦で3敗で追う菅井竜也八段との直接対決を制して挑戦を決めた。

タイトル戦の登場は2022年の第70期王座戦五番勝負以来。今年度は秋頃から黒星が目立ち、竜王戦でも2組に降級するなど不安材料も多いが、挑戦権獲得を機に開幕までに調子を立て直したいところだ。名人戦では第77期に獲得経験がある。

名人戦防衛に臨む藤井聡太名人
名人戦防衛に臨む藤井聡太名人

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過去の対戦成績は藤井から見て22勝11敗。最初は豊島が6連勝と先輩の貫録を見せていたが、現在は逆に藤井が9連勝中と圧倒している。なお、豊島は藤井と最も対局が多く、勝ち星もあげている棋士だ(唯一の2桁勝利)。タイトル戦では王位戦で2回、竜王戦と叡王戦で1回ずつ顔を合わせている。結果はいずれも藤井の勝ちだが、第6期叡王戦五番勝負は藤井が唯一フルセットに持ち込まれたシリーズでもある。直近のタイトル戦は2022年の第63期王位戦七番勝負だ。そのシリーズは開幕戦を豊島が勝ったものの、そこから4連勝で藤井が防衛を果たしている。
 
両者は最新形を好む居飛車党で、普通に予想するなら戦型はどちらが先手でも角換わり腰掛け銀が中心となる。しかし、このところの豊島は振り飛車など、時おり予想外の作戦を採用することもある。七番勝負では打倒藤井に向けて意表の作戦が飛び出る可能性もあるかもしれない。豊島としてはまずは対藤井の連敗をストップしたいところだろう。

七番勝負は4月10(水)、11日(木)に開幕する。最長で6月末まで及ぶ長いシリーズだ。八冠制覇を成し遂げた藤井を止める者が現れるか、名人戦七番勝負から将棋界の2024年度が始まる。二日制では普段以上に際立った強さを見せる藤井に対し、豊島がどのような戦いぶりを見せるか開幕戦から目が離せない。

文=渡部壮大

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放送情報【スカパー!】

第73期 ALSOK杯王将戦 七番勝負 第1局 藤井聡太王将 vs 菅井竜也八段
放送日時:3月23日(土)20:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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