いよいよ「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」の新シーズンが放送開始。クラシックカーにはファンも多いが、その魅力とは何なのか、実際に普段から乗っている高桑秀典さんに尋ねた。
■クルマと一体感が味わえる運転中は至福の時間
幼き頃のスーパーカーブームの影響を受け、クルマの虜となった高桑さんの愛車は1974年式のアルファロメオのクーペ「GT1600ジュニア」だ。
高桑さんはブームの牽引役でもあったポルシェ930ターボやランチアストラトスに憧れていた。しかしクルマの知識が増えだした高校生の頃に、本気で購入を目指し始めたのがイタリアの名車アルファロメオ。
「美しいスタイルと性能の良さにほれてしまって。当時からコツコツと購入資金をためて、ついに27歳の時に購入しました。本命はジュニア ザガートという流麗なクーペでしたが、少数生産の特別なクルマだったんです。中古車屋さんで"ジュニア ザガートとGT1600ジュニアは基本部分が同じ。GT1600ジュニアの方が維持しやすい"と助言され、購入を決断しましたね」
以来、同じクルマに乗り続け、クラシックカーライフを満喫している。クラシックカーを手に入れても乗らない人も少なくないが、高桑さんは普段から積極的に乗り続けている。それを裏付けるように、購入時18万kmだった距離計は、今や30万5千kmまで到達するほどに。もちろん、定期的なメンテナンスは欠かさない。
「自動車ライターとして全国の旧車イベント取材に出向くときも、GT1600ジュニアに乗って行きます。珍しい水色のボディーカラーなので、現場で水色のアルファロメオを見掛けると"高桑がいるらしい"と目印になっているようですね(笑)」
古いクルマだと運転中の疲労も大きいかと思いきや、そんなことはないそう。
「個人的にはむしろ、現代車より長距離では疲れませんね。何より運転が楽しいです(笑)。アナログなクルマなので丁寧な運転操作は必須ですが、それもクルマと一体になれる感覚が味わえる至福の時間です」
自身が旧車を購入・維持してきた経験から、名車が登場する「クラシックカー・ディーラーズ」シリーズもチェックしている。
「見つけてくるのは名車だけど、ボロ車ばかり。そのクルマと対面したメカニックの反応が面白い。時に、怒ってしまうのもリアルですよね。傷んだクルマをどこまで仕上げるのかというメカニックの見極めも、旧車オーナーとして興味深いところ。そんなクルマが蘇り、次のオーナーの手に渡るまでの物語には、クラシックカーライフのロマンが凝縮されていますね」
取材・文=大音安弘
たかくわ・ひでのり●1971年生まれ。自動車雑誌編集部員を経て独立。愛車はアルファ ロメオ・GT1600ジュニア(1974年式)。旧車イベント取材を重ね、旧車の趣味人たちとの交流も深い。
放送情報
特集:蘇れ! 日本の名車
放送日時:2022年1月3日(月)13:00~
チャンネル:ナショナル ジオグラフィック
名車再生!クラシックカー・ディーラーズシーズン17
放送日時:2022年1月10日(月)22:00~
チャンネル:ディスカバリーチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
詳しくはこちら