「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ第6部の魅力をブロガー・結騎了が語る

ファンの多い"ジョジョ"シリーズの第6部がついにアニメ化。複雑なストーリーや"スタンド"はどう映像化されるのか気になる人も多いだろう。原作を何度も読み返し、アニメも楽しみにしているというブロガーの結騎了さんに、今作の見どころを聞いた。

■女性が持つしなやかさと強さで敵に立ち向かう

1986年に第1部の連載がスタートした「ジョジョの奇妙な冒険」。その主人公ジョナサン・ジョースターの子孫たちが各部の主人公を務める大河ドラマ的シリーズで、第6部は1999年から連載が始まった。

「作者の荒木飛呂彦先生も公言していますが"ジョジョ"シリーズのテーマは"人間讃歌"。人間性を肯定し、その知恵と勇気を讃たたえる物語群です。その中で第6部は人間の弱さや恐怖にスポットライトを当てた作品。人間はいかに弱いか、そしてそれをどう克服するかが描かれます。実は各部の主人公のスタンド(人や物の姿に具現化された超能力)はその部のテーマ性とリンクします。例えば第4部の物を直すスタンド"クレイジー・ダイヤモンド"は、日常を脅かす者が存在する杜王町の異常を主人公が直していく物語にリンクします。第5部の生命を与えるスタンド"ゴールド・エクスペリエンス"は、次々と仲間が死んでいく中で、生きるとはどういうことかを問う物語につながります。今回放送される第6部の主人公・空条徐倫のスタンド"ストーン・フリー"は糸状で、固めると人の姿に。糸そのものは弱いですが、束ねると強靱になる。1人1人は弱くとも仲間と力を合わせ弱さを克服していく物語のテーマ性と一致するのです」

徐倫は第3部の主人公・空条承太郎の娘で、シリーズ唯一の女性主人公でもある。

「これまでのシリーズ同様に鼻血が出たり、体が欠損したりと激しいバトルシーンがあります。現在は男女平等の社会を目指す動きが活発化していますが、1999年の時点ですでにこのような主人公が存在したことは新鮮に映るのでは。また徐倫を演じるのはファイルーズあいさん。男らしさとも違う女性なりの心の強さを持つ声で演じられています」

ジョースター家の宿命のライバル・DIOとの因果がこのシリーズの縦軸。第6部の大ボスであるプッチ神父もやはり、DIOと関わりのある人物だ。

「このプッチ神父の成長するスタンド能力も含め、第6部は全体的にスタンドの能力が複雑化、また気候を左右するなど、世界に影響を与えるレベルでスケールアップしています。アニメ化されることで、これらのスタンドが分かりやすくなるのでは。ジョジョ愛の深いスタッフたちが手掛けた世界観を、ぜひ第1部から体感してほしいですね」

取材・文＝衣輪晋一

ゆうき・りょう●サイト「ジゴワットレポート」を運営しているブロガー。映画・特撮をメインにアニメも視聴。「別冊映画秘宝 特撮秘宝」「週刊はてなブログ」等に寄稿している。

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