スポーツライター・長谷川晶一が人気番組「プロ野球ニュース」の魅力を語る

1976年から続く人気番組「プロ野球ニュース」
1976年から続く人気番組「プロ野球ニュース」

プロ野球ファンが中継と合わせて欠かさずに視聴する人気番組「プロ野球ニュース」。「オレたちのプロ野球ニュース――野球報道に革命を起こした者たち」(新潮文庫)の著者である、スポーツライターの長谷川晶一さんに、1976年から続く番組の功績とその魅力を深掘りしてもらった。

スポーツライターの長谷川晶一
スポーツライターの長谷川晶一

野球報道に革命を起こし現在もイズムが継承される

1976年4月1日にフジテレビで放送を開始した「プロ野球ニュース」。12球団全試合を丁寧に生放送で解説し、従来の野球報道とは一線を画す斬新なスタイルで多くのファンに愛された。2001年からはCS放送のフジテレビONEに移り、その後も変わらずに全国のプロ野球ファンを楽しませている。

「まさに野球報道に革命を起こした、画期的な番組でした。フィルム撮影で撮られた試合映像を現像から編集という作業を行い、生放送に間に合わせるということ自体が大変な中、全6試合分見せてくれた。当時は、パ・リーグの選手を映像で見られることだけでも貴重でした。その裏にはフジ系列のFNS各局が一丸となり、総力を挙げたからこそ、実現できたと言えます。今や定番の『珍プレー好プレー』もこの番組から生まれたものですしね」

CSに移行してからも、番組のDNAが受け継がれている。

「ただ試合結果を伝えるのではなく、勝敗の伏線となった場面を探り出すようなスタッフの姿勢は今も変わっていません。例えばホームランを打った前の打席で三振に打ち取られた配球にヒントが隠されていれば、三振の映像も見せつつ『熱視線』と称して解説してくれます。名物コーナー『今日のホームラン』のOPには、昭和の頃の映像を使っていますし、そんなところにもイズムを感じますね」

さらに、番組には新たに加わった魅力もあるという。

「『熱視線』はCS体制になってから始まったものですし、開幕前に行うシーズン予想とか、年末に行う順位予想の反省会などの特番も非常に面白い。その原動力は解説陣にあると思います。平松政次さん、大矢明彦さん、谷沢健一さんのような重鎮もいれば、里崎智也さんら若手もいる。総勢20人超で各球団OBも満遍なくそろっていますし、スキルも高い。解説者が自らMCを務めることでトークが磨かれているからです。最近も真中満さんと仕事をしたのですが、対談でのトーク回しが秀逸で素晴らしかったくらいです」

最後に、番組の楽しみ方をレクチャーしてもらった。

「球場で観戦したり、生中継を見ている時に解説者の『熱視線』がどの場面なのかを予想して見ると面白さが倍増します。自分の予想との答え合わせをしながらプロ野球ニュースを見ると、野球の奥深さが学べるのでお勧めです」

はせがわ・しょういち●1970年生まれ、東京都出身。出版社勤務を経て独立。スポーツを中心にノンフィクション作品を出版。「最弱球団 高橋ユニオンズ青春記」(彩図社)、「プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた!ー」(集英社)など著書多数。

取材・文=渡辺敏樹

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放送情報

プロ野球ニュース2022

放送日時:2022年3月7日(月)23:00~

チャンネル:フジテレビONE

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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