芸人&日本語学者・サンキュータツオがアニメを通して語る、若者を見守る大人の視線

最近のアニメでは、主人公たちのあり方だけでなく、彼らに対する周りの大人たちの接し方も変わってきているという。「ブルーピリオド」「アイドリッシュセブン Third BEAT!」を例に、大人たちの立ち位置についてサンキュータツオさんに聞いた。

■若者の成長を支える大人の姿に感情移入

今回紹介する2作品について、サンキュータツオさんは「ひたむきに頑張る主人公たちの側で、彼らをひそかに支える大人たちにも注目してほしい」と語る。

「漫画原作の『ブルーピリオド』は、映像化への期待が高い作品です。要領がよく何でもそつなくこなし、成績も優秀なイマドキっぽい男子高校生が主人公。ある日、絵に目覚めて東京藝術大学を目指すことになります。美大受験は、ほとんどの人が経験したことがないと思いますし、美術という、感性によって評価が変わるものに対してどう教育をしていくのかを知ることができます。また、才能豊かなライバルたちの実力に圧倒される様子なども見事に描かれています。原作は、実際に美大生に模写してもらった絵がそのまま掲載されているなど、挑戦的なことをしているんです。この作品のアニメでは、それらの美術作品がどう描かれるのかも楽しみですね。そして、注目したいのは周りにいるすてきな大人たち。例えば美術部顧問は正解を教えずに見守るなど、生徒たちに介入し過ぎず選択肢を与えてくれます。大人たちがどうやって関わっているのかに注目すると、より楽しめると思いますね」

美大を目指す男子高校生の姿を描くアニメ「ブルーピリオド」
美大を目指す男子高校生の姿を描くアニメ「ブルーピリオド」

©︎山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会

「アイドリッシュセブン Third BEAT!」は、男性アイドル育成ゲーム原作のアニメ。

「カッコいい&かわいいイケメンのキャラクターが出てきますが、このシリーズは"アイドル"という"人間"と"ビジネス"を描いているところを推したいですね。アイドル事務所の大人たちがどんなことを考えていて、どんなことをアイドルたちに伝えていて、メディアとどんな駆け引きをしているのか。また、主人公たちのコンプレックスや悩み、その葛藤と向き合う姿や自分の才能をどこまで信じられるかなど、繊細な部分に足を踏み入れています。アイドルたちが追い詰められている現状、またファンとアイドルと仕掛ける人たちによってアイドル文化が回っているということをリアルに描いているので、かなりドラマ性があります。"実際にこんなことがどこかで起きているのでは?"という気にすらなります。もちろん、問題を乗り越えて成長していくアイドルたちの姿も良いのですが、そこに関わってくる大人たちの戦略など、他のアイドル作品とは違った切り口がおもしろい。大人の我々も、学ぶことは多いと思いますよ」

男性アイドル育成ゲームが原作の「アイドリッシュ セブン Third BEAT!」
男性アイドル育成ゲームが原作の「アイドリッシュ セブン Third BEAT!」

©BNOI /アイナナ製作委員会

取材・文=横前さやか

サンキュータツオ●'76年生まれ。漫才コンビ「米粒写経」として活動しながら、大学では言語学などの非常勤講師も務める。アニメなどサブカルチャーにも造詣が深い。

この記事の画像

放送情報

アイドリッシュセブンThird BEAT!(第1クール)
放送日時:2021年10月2日(土)18:00~
チャンネル:TBSチャンネル2

ブルーピリオド
放送日時:2021年10月7日(木)21:00~
チャンネル:AT-X
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

最新の放送情報はスカパー!公式サイトへ

記事に関するワード

この記事をシェアする

関連人物

関連記事

関連記事

人気の記事ランキング

ランキングをもっとみる

スカパー!