乃木坂46・久保史緒里、桜雅役で妖艶かつ大人な女性像を好演!舞台演劇でグループを牽引する存在へ

撮影:御堂 義乘

2022年9月5日から9月25日まで東京・PARCO劇場で、10月1日から10月2日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールで、10月5日に愛知・名古屋文理大学文化フォーラムで、10月8日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センターにてそれぞれ上演されたパルコ・プロデュース2022「桜文」。明治期の日本を舞台に、情感あふれる物語を美しく描き出した同作は、2010年に「猿」にて第16回劇作家協会新人戯曲賞優秀賞を受賞した秋之桜子による書き下ろし作品である。

明治後期の吉原遊郭で当代随一とも謳われる花魁・桜雅は妖艶だが、決して笑顔を見せないことでも知られていた。そんな中、花魁道中を訪れていた小説家志望の霧野一郎が桜雅に声をかけたことで、桜雅は心の奥に閉じ込めていた過去の記憶を呼び起こされてしまう。桜雅がかつて花魁の見習いとして過ごしていた頃に心を惹かれていた少年の仙太と霧野の目が似ていたのだ。そこから2人はどのような運命を辿っていくのか...。

撮影:御堂 義乘

吉原随一の花魁である桜雅役を務めたのは昨年の2月には「乃木坂46のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)の2代目パーソナリティに任命され、乃木坂46の中心的存在として多方面で存在感を増している久保史緒里。ドラマ「クロシンリ 彼女が教える禁断の心理術」(関西テレビ)や舞台「夜は短し歩けよ乙女」でも主要キャストに抜擢、さらに2023年1月からはNHK大河ドラマ「どうする家康」に五徳役で出演するなど、その役作りへの真摯な姿勢や表現力が高く評価されてきた。そんな久保との恋仲役として仙太と霧野一郎の二役で出演しているのが若手個性派俳優として注目を集めるゆうたろうだ。脇を固めるキャストには松本妃代、石倉三郎、榎木孝明ら実力のある俳優陣が揃っている。

撮影:御堂 義乘

久保はこれまでも数多くの演技を経験してきたメンバーだが、これまで演じたことのない明治期の日本の古き良き美しい世界観に本作で初めて挑戦。インタビューで久保は決して笑顔を見せない桜雅という役柄への苦労を語っていた。その言葉通り、序盤では周りの陽気で気さくな出演者を差し置いて、感情を表に出すことのない桜雅を見事に表現していた。その佇まいはまさに耽美。21歳とは思えない大人びた表情からは久保の女優としての真価が感じられた。次第にシーンが進んでいくに連れて、桜雅のもう一つの側面が明らかになっていくが、その少し砕けた日常会話とのギャップも違和感なく演じていた。2幕以降では霧野へ特別な感情を抱いていくに連れて、次第に多彩な表情や感情を表に見せていく。久保の顔の表情や声のトーンなど、作中では至るところに役への丁寧な作り込みが感じられ、久保の女優としての真価が発揮されている。

乃木坂46というグループは舞台演劇の分野でこれまでも数々のメンバーが存在感を残してきたが、久保もまたそうしたメンバーに数えられる1人である。先輩である生田絵梨花(2021年12月卒業)がかつて「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」において舞台とアイドルの両立の難しさを口にしていたが、久保もまたアイドル活動との両立は難しかったことは想像に固くない。そうした中で、桜雅という極めてチャレンジングな役を引き受け演じきった久保の姿勢からは乃木坂46を牽引するという強い思いもうかがえる。

そんな「桜文」は2月5日(日)に衛星劇場にて放送されることが決定した。久保は日本の美しき世界観をどのように解釈し演じているのか。久保の女優としての才覚が発揮された同舞台を堪能してほしい。

文=川崎龍也

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放送情報

パルコ・プロデュース2022「桜文」
放送日時:2023年2月5日(日)17:30~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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