2017年に17thシングル「インフルエンサー」で、2018年に20thシングル「シンクロニシティ」で「日本レコード大賞」を受賞するなど、今最も勢いのあるアイドルグループ、乃木坂46。
オーディションを経て、2011年8月に1期生メンバーが選ばれ、「AKB48の公式ライバル」としてグループの歴史が始まった。シングル「ぐるぐるカーテン」でCDデビューしたのは2012年2月22日。この作品がオリコン週間ランキング2位を記録するが、次作の「おいでシャンプー」以降、今年の5月29日に発売された「Sing Out!」まで22作連続で1位を獲得している。
メンバーはグループの活動だけでなく、ファッション誌の専属モデルとして、舞台や映画、ドラマで女優として、ラジオ番組のパーソナリティーとして、など幅広く活躍。しかし、決して最初から全てが順風満帆というわけではなかった。2015年7月に公開された初のドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』には、メンバー個々の葛藤や悩みがそれぞれの母親の言葉をもとに描かれている。この中で1期生の何人かがクローズアップされていた。
生駒里奈(2018年5月卒業)は1stシングル「ぐるぐるカーテン」から5thシングル「君の名は希望」までの表題曲でセンターポジションを務め、グループの顔となったが、小学生の頃はいじめに遭っていて、目立たないようにしていたことが明かされる。
西野七瀬(2018年12月卒業)は8thシングル「気づいたら片想い」で初センターに選ばれて以降、「夏のFree&Easy」「命は美しい」などのセンターを務め、グループを引っ張るエースの一人として活躍。そんな西野は、小さい頃にパソコンをもらったことをきっかけにペンタブレットで絵を描いたりして過ごしたりしていたが、集団行動が苦手だったという。
白石麻衣は6thシングル「ガールズルール」で初センターに選出され、現在もグループをリードする存在として活躍中。今では多くのメンバーがファッション誌の専属モデル/レギュラーモデルを務めているが、グループで初めて「専属モデル」の道を切り開いた功績があり、アイドルという枠を超えた人気で2nd写真集「パスポート」は累計発行部数が36万部を突破している。そんな白石も実は中学生の時に不登校になって引きこもっていた過去があった。
ドイツ生まれの生田絵梨花。3歳からピアノを習い始めた生田は、6歳の時に観た『アニー』の影響でミュージカル女優に憧れるようになった。のちに『ロミオ&ジュリエット』『レ・ミゼラブル』など多くのミュージカル作品に出演し、その才能を発揮。しかし、ピアノという存在が辛かった時期があったという。
ここに名前を挙げた4人をはじめ、"アイドルになりたい!"と積極的に思っていたメンバーはあまり多くないのも初期の乃木坂46の特徴といえるだろう。"私が!"というタイプではないからこそ、デビューシングルから5作連続でセンターに選ばれた生駒も、6thでセンターに抜擢された白石も8thシングルでセンターになった西野も「私なんかが...」と悩み、プレッシャーと闘っていた。
個々の苦悩だけでなく、この作品では、生駒里奈が交換留学生としてAKB48と兼任したことや、スキャンダルによるグループの危機なども描かれている。苦悩や挫折を乗り越えたからこそ、乃木坂46は国民的人気グループになれたのではないだろうか。この映画が公開された2015年は、CDデビュー日の2月22日を「乃木坂46の日」と認定されたが、白石が「2015年は乃木坂の年にしようって言っていて。(AKB48の)公式ライバルというその肩書きはいつか取りたい」と劇中で話していたように、大きな転機の年となった。
7月27日(土)に『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』の放送が決定。7月5日(金)から劇場公開されるドキュメンタリー映画第2弾『いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46』とあわせて、この作品から乃木坂46の魅力とグループとしての強さを改めて感じてもらいたい。
文=田中隆信
放送情報
「悲しみの忘れ方Documentary of 乃木坂46」(2015年)
放送日時:7月27日(土)21:00~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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