小泉今日子河合奈保子らの貴重な歌唱ステージを見られる「ザ・トップテン」

「ザ・トップテン」(歌謡ポップスチャンネル)
「ザ・トップテン」(歌謡ポップスチャンネル)

1969年にスタートした音楽番組「NTV紅白歌のトップテン」をリニューアルし、1981年4月から放送開始した「ザ・トップテン」。毎週独自のランキングの上位10曲を10位から1位までカウントダウンスタイルで発表。毎週月曜日の20時から東京・渋谷公会堂(現:LINE CUBE SHIBUYA)から生放送されていたことも大きな特徴となっている。公開放送ということで、地方から東京に修学旅行に来た中学生や高校生を招待していた。

番組の司会は堺正章と榊原郁恵が担当しているが、1984年10月8日の放送回では堺がスタジオを離れ、中継先のアメリカ・ロサンゼルスにいるため、小倉淳アナウンサーが代役を務めている。

では、この日のランキングを振り返ってみよう。10位が細川たかしの「浪花節だよ人生は」。「北酒場」や「矢切の渡し」などのヒットもあり、この頃から演歌界をリードする存在だった。9位は河合奈保子の「唇のプライバシー」。1980年にデビューし、高い歌唱力にも定評があった。最近では1982年リリースの「けんかをやめて」が2022年公開の映画「すずめの戸締まり」の挿入歌に起用され、若い世代からも河合奈保子への注目度が高まっている。8位は、サックスを擁するロックバンド"SALLY"の「バージンブルー」。デビュー曲ながら杉本哲太出演の清涼飲料水のCMソングに起用され、ヒットを記録した。

7位は舘ひろしの「泣かないで」。この頃は人気ドラマ「西部警察 PART-Ⅲ」に出演中。この日は翌日に行われるコンサート会場の大阪城ホールから中継。後に1986年から「あぶない刑事」も始まるが、"刑事"役がハマり役という印象が強かった。今も第一線で活躍しているが、この曲のような渋く切ない雰囲気はその頃から今もずっと変わらない。

6位は柏原芳恵の「最愛」。雑誌の撮影取材のために滞在中のフランス・パリからVTRでのメッセージ、そしてパリの街中を歩いたりする様子に合わせて曲を流し、イメージビデオのような感じで放送された。
5位は吉川晃司の「ラ・ヴィアンローズ」。赤坂で行われている「銀座音楽祭」に出演中ということで、その会場からの中継で歌を披露(出演時間の関係で、1位の後に歌唱)。現在も音楽活動を続けており、俳優としても存在感を示している。
4位は中森明菜の「十戒(1984)」。

上位3曲を発表する前に、11位から20位までの楽曲を発表する「もうすぐトップテン」というコーナーがあり、話題曲としてビートたけしがたけし軍団を率いて登場し、「抱いた腰がチャッチャッチャッ」を披露している。

「ヤマトナデシコ七変化」を歌唱する小泉今日子
「ヤマトナデシコ七変化」を歌唱する小泉今日子

残すは上位3曲。3位は小泉今日子の「ヤマトナデシコ七変化」、2位が近藤真彦の「永遠に秘密さ」、1位はチェッカーズの「星屑のステージ」という結果となった。小泉今日子は、中森明菜や堀ちえみ、早見優らと同じ1982年デビューで「花の82年組」と呼ばれている1人。1983年リリースの5thシングル「まっ赤な女の子」の時にショートカットにイメチェン。個性を打ち出し、大きくブレイク。現在は、歌や俳優業の他に、株式会社明後日の代表を務めて、舞台のプロデュースなど、マルチな才能を発揮している。

1位のチェッカーズはロサンゼルスからの中継で出演。長さ10mのリムジンで登場するなど、80年代の好景気が反映されているのを感じさせる。チェッカーズは前年の1983年9月に「ギザギザハートの子守唄」でデビューし、「涙のリクエスト」「悲しくてジェラシー」と次々とヒットを飛ばし、この4枚目の「星屑のステージ」の時にはトップグループの仲間入りをしていた。チェックのファッションや藤井郁弥の髪型を真似する人も多かった。

引退した河合奈保子や解散したバンドはいるが、多くは現在も現役として活躍しているので、若き日の姿を改めて見て楽しむのもオススメする。

文=田中隆信

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放送情報

ザ・トップテン #2
放送日時:2023年4月7日(金)20:00~、2023年4月24日(月)0:00~
チャンネル:歌謡ポップスチャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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