曽我部恵一、YO-KING、MOROHAが集う熱い夜！ 進行役は又吉直樹

視聴者に話しかけるラジオを意識した演出で"ながら視聴"を楽しもうという、テレビ・ラジオ番組として放送中のBSスカパー！の音声コンテンツ「スカパー! FM579」。放送の度にDJを変えて、一夜限りのスペシャルプログラムを提供している。その番外編として昨年11月にオンエアされた、アーティストが集うスペシャルナイト「スズコウ ナイト」の第2弾が開催された。

今回もその名の通り舞台は東京・蒲田の居酒屋「スズコウ」。前回に引き続き又吉直樹がMCを努め、集まったアーティストは曽我部恵一(サニーデイ・サービス)、YO-KING(真心ブラザーズ)、MOROHAの3組。なぜこの3組が参加することになったのか、関係性が明らかになるMOROHAの「革命」を1曲目に、居酒屋×弾き語りの夜はスタート。音楽を志したきっかけ、影響を受けたアーティスト、歌詞はどうやって生み出されるのか、音楽にまつわるトークと共に、それぞれが弾き語りしたい曲、リクエスト曲などが次々に披露されていく。

「どんな時に歌詞を書くのか」の話題では、アフロ(MOROHA)は「日々書いてます。度を越すとスマホでも書くし、最終的にはノートに清書」、曽我部も「最後はノートでまとめるけど、手元に何も無いときはスマホにメモる」。YO-KINGは最終的には書くとしながらも「セッションしながらのレコーディングで、3番やることになってアドリブで作ることはある。実はそのアドリブが一番しっくり来ることが多いかな」と、お互いの音楽スタイルをお酒片手にざっくばらんに語り合う。

中盤、別れたバンドマンへの思いを描いた「拝啓、MCアフロ様」を披露し、「MOROHAの歌は長いですねえ」と照れ隠しをする作詞を担当したアフロに、すかさず曽我部が「これは実体験？」と質問。「というか、実は自分に彼女が居まして......」と、楽曲の誕生秘話も飛び出す。「僕が書いた『劇場』のどうしようもない主人公と重なりますね(笑)」と又吉が大きくうなずく場面も。

みんなが楽しそうに歌を爪弾き、メロディ優先か歌詞が先か、その曲が生まれた時、それぞれに何が起こったのか、興味深い制作秘話など、愛しく音楽について語るアーティストたちに、又吉が言葉を操る小説家としての視点で、彼らの思いを受け止める。「スズコウ ナイト2」はただただ心地よい気分の中、音楽が溢れる贅沢な一夜となった。

ライブ会場とも違う、居酒屋という空間で音楽について語り、音楽が爪弾かれていく。楽しくて濃密で魅力たっぷりな「スズコウ ナイト2」は前編、後編の2回にわけてオンエアされる。お酒とおつまみを用意しておこう。

出演者の皆さんに、収録後の感想を直撃！

又吉直樹
「僕はただただ、お酒飲みながら楽しい時間を過ごさせていただきました。飲んでいる席でもあまり聞けない、歌が出来ていく過程を聞けたり。ライブでもコンサートでもない、居酒屋のテーブルを挟んだこの距離で、聴けるというこの環境はなかなか無いですよ。しかも、自分が小説を書く前から触れていた人ばかりで、皆さんの操る言葉はむちゃくちゃ面白いです。第３、第４と続けたいですね、ぜひ。新しい方が来てくださるのも嬉しいですし、いままで出ていただいたメンバーでまわしていくのもいいですね(笑)。」

曽我部恵一
「自分が歌う分には大丈夫なんだけど、こういうシチュエーションで、人の歌を聴くことはまずないので、みんなの表現力に凄いなと思いました。たぶん、バンドをやっていたら、曲が出来たらこういう雰囲気の中で聴かされるのかなと思った。こういう機会だからあえて、同業者でもなかなか聞けない、あの曲を作ったときのことも聞けて面白かったです。」

YO-KING
「スズコウナイトはライブハウスとも違うからね、対バンっていう形でもない。なんともいえない空気感がある。話していることも制作過程とかね、普段はしない野暮な話をしている。打ち上げになるともっと砕けた話になるので、曲について語り合うということも滅多に無いからね。50年後とか資料的な価値はあるかもしれない。貴重なトークと言えば貴重なトークなのかな。」

MOROHA
「もっと俺たちパーティーチューンが必要なのかと感じました。曽我部さんもYO-KINGさんの歌も、間近で聴いていると、背筋が伸びるというか...。なんか悔しいなって思いました。自分ができないことを既にやられていて、それが出来ない自分が悔しいので、自分が出来ることをもっとがんばろうと思いました。」

演奏楽曲一覧　※放送曲は未定です。

文＝加藤千高

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