ツアーファイナル仙台公演のオープニングアクトではエナー・アールウェットが「そばかす」「君がいない未来」を披露。Nornisの2人に負けず劣らずの力強い歌声にファンが引き込まれる。その後の英語と日本語が織り交ざった可愛らしいMCではそのギャップに多くのファンが魅了された。
仙台公演でも基本的なセトリを踏襲しつつ、カバーとソロパートが変更。今回は「再会」が披露された。「再会」はTHE FIRST TAKEでも7000万回以上再生された掛け合いが魅力の曲だが、Nornisの2人が魅せる阿吽の呼吸も流石の一言。息のあった美しい音色をファンは堪能した。ソロでは町田が「背後に注意」をこのツアーでは珍しい多少の恐怖感を織り交ぜた歌声で奏でる。中毒性があるが、どこか不気味なこの曲はライブでも不思議な魅力を放った。続く戌亥の「残光」は戌亥らしさが光る温かで寄り添うような曲。ソロパートで2人の作り出したギャップにファンはさらにNornisにはまっていく。
このライブでは新曲「Wishing you」が披露された。これで全ての公演で別々の新曲が披露されたことになり、Nornisという歌姫が如何に音楽を愛しているかがよくわかる。「Wishing you」は壮大というより、むしろ2人の歌声が隣にいるような安心感のある曲で優しい陽だまりのような印象だ。この曲は9/29から各種配信サイトにてリリースされている。
最後のMCで町田は「Nornisを見つけてくれて、愛してくれてありがとう」とファンに感謝を紡ぐ。ツアー3公演を通して、町田がファン全員がそれぞれ違う人間ながらもNornisを応援してくれているという共通点を持っていることに深く感謝しているのが印象的だった。その気持ちは仙台の最後に言葉を紡いだ後の深々としたお辞儀にこもっていたように思う。戌亥は「したためてきました」と自らメッセージの台本を用意。「思い悩んだこともあったが、隣に町田がいたからここまで来られた」とファンが思わず感動する言葉たちが溢れた。また戌亥も町田同様ファンに感謝を忘れない。そうして演奏された「Try add」。このライブ最後の曲が全ての公演で変わらなかったのは、彼女たちがやはりこれからも進んでTRYしていきたいという気持ちの現れなのだろう。そして、それは戌亥が言っていたように「2人」がファンと歌として紡いでいくのだ。
文=田中諒
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ライブ情報
Nornis LIVE TOUR 2024 -Tensegrity-
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