5月22日にイギリス・マンチェスターで起きた痛ましいテロ事件。その後、被害者と遺族のための慈善公演を行うなど、一連の報道を通してアリアナ・グランデの存在を知った人も少なくないだろう。そんなアリアナ・グランデの単独来日公演が8月10日(木)、12日(土)、13日(日)に千葉県・幕張メッセで開催される。来日公演を控えた今だからこそ、日本におけるブレイクの過程を振り返りながら、アリアナの魅力に迫ってみたい。
ベテランR&Bリスナーをも魅了する歌声と歌唱力
アリアナはこれまでに3枚のオリジナル・アルバムを発表しているが、そのすべてが日本のオリコン・アルバム総合チャートの3位以内に入っている。しかも、最新作の『デンジャラス・ウーマン』は、2016年のオリコン年間チャート洋楽部門の1位を獲得。洋楽市場では売上、知名度などで海外の状況と差が広がりすぎてしまうケースも多いが、アリアナの場合は2014年の日本デビュー直後から高い人気を獲得している。
アリアナ・グランデの曲が日本で浸透していく過程で大きなポイントとなったのは、10代20代の同世代リスナーを魅了すると同時に、30代以上のリスナーも惹きつけてきた点にあるだろう。
そのカギの一つはデビューの際のキャッチコピー"ネクスト・マライア"にある。マライア・キャリーといえば、ベスト盤『ザ・ワンズ』1998年を日本だけで300万枚以上売り上げたアーティストであり、とりわけ30代以上においてはリスナーの裾野が広い。"アリアナ・グランデ"としてのブランドが確立された今となっては、マライアうんぬんの触れ込みも不要かもしれないが、2014年2月の日本デビュー『ユアーズ・トゥルーリー』国内盤の発売当時の状況を振り返ると、YouTubeの『エモーションズ』マライア・キャリーのカバー動画における歌唱力は、"ネクスト・マライア"の看板に偽りなしといった感じで非常にインパクトがあった。
加えて大御所プロデューサー、ベイビーフェイスらが手掛けた『ベイビー・アイ』をはじめ、90年代のR&Bを意識した仕上がりになっていたことも功を奏した。つまり正統派R&Bシンガーの新星として、一世代上のR&Bリスナー間での知名度と人気を高めることができたのだ。
メインストリーム最前線のアーティストを刺激
2014年に発表した2ndアルバム『マイ・エヴリシング』収録の『プロブレム』で開花した小悪魔的な魅力に加え、世界的に人気を誇るDJであるゼッドとのコラボ『ブレイク・フリー feat.ゼッド』はリスナー層拡大の観点から意義深かった。
2014年といえば、EDMフェス『ULTRA JAPAN』が初開催され、"日本のEDM元年"ともいわれる年。実際に『ブレイク・フリー』(『マイ・エヴリシング』)収録は『ULTRA JAPAN』で、こちらも世界的に活躍するDJ、ハードウェルがスピンし、急増したEDMリスナーたちにもアリアナの歌声と名が行き渡ったのである。
150cm台のセレブは日本でブレイクしやすい!?
2000年代に日本のファッション誌やセレブ雑誌の表紙にたびたび登場したライオネル・リッチーの娘、ニコール・リッチーが顕著だったが、身長が150cm台でおしゃれな海外有名人は日本の女性向けメディアでの露出が増えやすい。
平均身長が150cm台という日本の女子にとっては親近感も湧きやすし、スタイルよく見せる着こなしなど実際に参考になる点が多いからだ。
アリアナは身長153cmで、洋服のチョイスに加えてヘアメイクへの注目度も高い。優等生的な歌の実力とともに、小悪魔的な色気とやんちゃ気質を兼ね備えているのが強みだろう。
ひらがなの読み書きを勉強するほどの親日家の一面も持つアリアナ。きっかけは何であれ、少しでも気になる要素があったなら、まずは彼女の来日に際して、『スカパー!』でいくつかの特集番組が放送されるので、そちらからチェックしてみるのはどうだろうか?
Writer:森田美喜子
※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。
放送情報
アリアナ・グランデ特集
放送時間:2017年8月13日(日)23:30~14日(月)00:30
チャンネル名:MUSIC ON! TV(エムオン!)HD
アリアナ・グランデ:ポップ・プロフィール
放送時間:2017年8月11日(金)20:00~20:30
チャンネル名:ミュージック・エア
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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