T-Pablowが語る「高校生RAP選手権」が成した功績

2度の優勝を果たし、今回は大会審査員を務めたT-Pablow
2度の優勝を果たし、今回は大会審査員を務めたT-Pablow

4月3日に開催された「BS スカパー!BAZOOKA!!!第15回高校生RAP選手権 in TOKYO」の模様が、5月6日(月)にBSスカパー!で放送される。

同イベントは、若手ラッパーの日本一を決める大会。東京、大阪で行われたオーディションを勝ち抜いた16人が、それぞれの生い立ちを全面にぶつけたフリースタイルのラップMCバトルを繰り広げた。

「第15回高校生RAP選手権 in TOKYO」の様子

(C)BSスカパー!BAZOOKA!!!第15回高校生RAP選手権 in TOKYO

今回、同大会の第1回、第4回でチャンピオンに輝き、今大会で審査員を務めるT-Pablow (ティーパブロ)に大会直前にインタビューを行い、若手ラッパーたちに期待すること、審査のポイントなどについて聞いた。

――この大会の意義やラップ界に与える影響は?

「僕が参加していた時は、正直まだそれほどヒップホップも世間に浸透していないし流行ってもいなかったので大会に出て売名する必要があったんですけど、今はMCバトルとかに出ていなくても、1曲出してYouTubeとかで1000万回再生されるみたいなこともあって、前ほどは売名する必要もなくなってきているのが現状だと思います。優勝したら(凄さが)分かりやすいってくらい。僕が優勝した時は、(優勝する前と後で)周りの状況が全然違いました。今はバトルに関わらなくても全然有名になれる。でも、そんな状況を作れたのは、この大会のおかげであることは間違いありませんね。今の日本のヒップホップの勢いは『高校生RAP選手権』から火が付いたと言われているんで」

――ご自身が優勝を手にして、具体的にどんなふうに状況が変わったのですか?

「それまで憧れていた人たちと一緒に曲を作れたり。むしろ、一緒にやってない人いないんじゃないかってくらいです。あとは、ヒップホップのフェスが夏に名古屋と東京で年2回あるんですけど、そのフェスのトリを自分たちが任せてもらったりとか。最近で言うと、僕の双子の弟で『高校生RAP選手権』にも出ていたYZERR(ワイザー/第5回大会優勝)と一緒に日本武道館でワンマンライブもできました。普通の23歳だったらそんな場所でできないと思うんですけど、優勝できたからこそやらせてもらえたんだと思います。一方で、ヒップホップシーン全体の広がりによるところも大きいんじゃないですかね。それまではヒップホップでご飯は食べられなくて、みんな趣味みたいな感じだったんですけど、今はラップだけで飯食えてる人たちが増えてますから」

――ご自身が出場された時は緊張やプレッシャーなどはありましたか?

「特になかったですね。普段からラップをしていたので、大会のために特別練習したということもなかったですし。特に第4回大会では、第2、3回大会に出られなかったから『負けるわけないべ』って、気合が違いましたから。第1回大会王者というプレッシャーというよりも、"後に引けない"という強気な気持ちだったんで」

――審査するポイントを教えてください!

「正直ラップの上手さとかあんまり興味がないっていうか、上手くて当たり前。そんな中で『上手いな』と思える人って、16人の出場者の中で3人くらいだと思うんですよね。そうなってくると、(判定の基準は)ヒップホップのカルチャー的な部分を持っているか持っていないかとかになってくる。MCバトルって、昔はヒップホップが好きな人がやるっていう感じだったんですけど、今は流行り過ぎちゃって、いうなれば誰でもできる。ヒップホップが好きじゃなくてもMCバトルはできるんで。だから、MCバトルに憧れてMCバトルをやっている子には、個人的に引かれないんですよ。技術ではなく、人間性に引かれるかどうかを見ています。あとは、ワードセンス。カッコいい言葉を言ってる人が好きで、"長く韻を踏めたから"とかはギャグっぽくなっちゃうと台無しになるので。選ぶ言葉のセンスの良さですね」

――MCバトルにおいてご自身が意識していることは?

「絶対相手より上手いラップをする。上手いラップをしていると絶対勝てるんで。上手いラップをしても勝てない時っていうのは、相手がネタっぽい人っていうかこっちを馬鹿にしてくる人なんで、そういった相手にも上手いラップをしていれば、相手をギャグに見せれるんで。だから、とりあえず上手いラップをすることですね」

――ラップの魅力を教えてください!

「とりあえず歌が下手でも始められること(笑)。あとは、立場が弱い人間でも全然表現できるっていうか、それが強みになったりもするところですね」

――若手ラッパーの皆さんにメッセージをお願いします。

「自分たちが(ヒップポップアーティストで)最年少の23歳で日本武道館でライブができたので、それを超えていってほしいですね。次は20歳くらいの子に自分たちの記録を塗り替えてもらって、というふうにどんどん日本のヒップホップ界もアメリカみたいに広がっていってほしいです」

文=原田健 撮影=富田一也

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放送情報

BSスカパー!BAZOOKA!!!第15回高校生RAP選手権 in TOKYO
放送日時:2019年5月6日(月)21:00~
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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