GW特別インタビュー|尾崎裕哉

幼少期から繰り返し聴き続けた父・尾崎豊が遺した音源や、15歳までの10年間を過ごしたボストンで'60~'90年代のロック&ブルーズに強い影響を受ける。今とても注目されているバイリンガル・シンガーソングライター。

前のめりで挑戦したライブでした

シンガーソングライターの尾崎裕哉が、満を持して3月22日に「LET FREEDOM RING」でCDデビューした。それに先駆けて組まれた同名のライブツアーから、3月11日にEXシアター六本木で行われた熱狂のライブが、5月6日(土)、MTVで放送される。

「3月11日のライブは、1,700人のお客さんが来てくださり、僕が今まで行ったライブで最も規模が大きいものでした。これまでの会場とはお客さんとの距離感が違ったので、一生懸命思いを伝えなければと"前のめり"になりましたね。ジャンルには固執せず、幅広い音楽を披露できるよう努めました。あと、僕の愛用ギターにもぜひ注目してください!実は楽器と機材マニアなので(笑)」

尾崎裕哉は、伝説的なロックシンガー、尾崎豊の息子。その父が亡くなったとき、彼はまだ2歳だった。その後、15歳までを米国ボストンで過ごし、帰国後、バンド活動を開始。2004年には尾崎豊のトリビュートアルバムに参加し、大きな話題を呼んだ。音楽活動と並行して、社会起業家を目指して慶應義塾大学、同大学院に進学する。

音楽活動をする以上、嫌でも尾崎豊の名前を避けられないのが、尾崎裕哉の宿命だろう。「自分がどれだけ力をつければ、人前で歌っていいのかということはシビアに考えてきたつもりです」と、その境遇を理解し、ストイックに自分を高め、地に足がついた活動を続けてきた。

今回のライブでは「I LOVE YOU」や「Forget-me-not」など、父・尾崎豊の楽曲も披露したが、その理由をこう明かす。

「尾崎豊の面影を求めて、僕の歌を聴きに来ている人はいるので、そういうファンの方々の気持ちに応えたいとは思いますが、尾崎裕哉として、それに甘んじていてはいけないということはわかっています。それと、尾崎豊を心からリスペクトしている僕自身が、彼の楽曲を歌いたいという純粋な思いもありました。でも一番大事なのは、来てくれたオーディエンスに感動してもらうこと。父親の曲を歌うことでそれができるなら、ある程度はやるべきだと思うんです」

4曲収録したCD「LET FREEDOM RING」(日本語訳「自由の鐘を鳴らせ」)のテーマは「解放」。尊敬するマーティン・ルーサー・キング牧師が行ったスピーチへのオマージュだという。

「1曲目の『サムデイ・スマイル』は、『上を向いて歩こう』のような前向きな曲にしたいというコンセプトがあったのですが、ポジティブなだけでなく、陰影もしっかり描くことを心掛けました。2曲目の『27』の詩は、あえて素のままの言葉で語るようなスタイルをとりました。曲調は、父の『誕生(BIRTH)』を意識したところがあります。4曲とも、世の中への反骨的なものではなく、自分自身の心の葛藤をそのまま表現しました」

ちなみに、曲作りは、メロディーを先に作って、詩は後でじっくり考えたいのだとか。

「特に詩が浮かんでくるのは、トイレやお風呂、移動中の飛行機。一人でぼ~っとしている時が多いですね(笑)」

まだスタートに立ったばかりの尾崎裕哉。アーティストとしてこれからどんな歩みをしていくのだろうか。

「ギターも歌ももっとうまくなりたいし、詩も音楽もいろんな表現ができるアーティストになりたいですね。とにかくもっと上を目指したい。僕がもっとも影響を受けているのは、ジョン・メイヤー(米国のシンガーソングライター)なんですが、彼のアルバムは毎回進化がすごい。音楽性を突然に変えたり、遊びの部分が多いだけでなく、高い教養も感じられる。そんな彼のようなスタイルを目指しています」

父・尾崎豊のようにティーンのカリスマとしてのアイコンは目指していないという彼は、「だってデビューしたのがアラサー(27歳)ですから」と、笑っていた。

PROFILE
HIROYA OZAKI
1989年7月24日生まれ、東京都出身。2016年、TBS系特番『音楽の日』でテレビ初出演し、同番組の瞬間最高視聴率を記録する。2017年10月6日にNHK大阪ホール、11月3日に東京国際フォーラム ホールCでのライブが決まっている。

撮影=川田洋司 取材・文=長昌之

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

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放送情報

MTV LIVE: 尾崎裕哉 -LET FREEDOM RING TOUR 2017-

放送日時:2017年5月6日(土)22:00~

チャンネル名:MTV

番組説明:

2月スタートの全国ツアーより、3月11日に六本木EX THEATERで開催された東京公演の模様を放送。
※同日後8:00には、父・尾崎豊のライブ「復活 尾崎豊 YOKOHAMA ARENA 1991.5.20」を放送

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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