世界に名を馳せる作曲家・久石譲とW.D.O、コンサートではジブリの名曲も披露

久石譲
久石譲

日本アカデミー賞最優秀音楽賞を始めとする数々の賞の受賞、海外での数々の公演の成功など、国内外で活躍する作曲家・久石譲。その活動はますます盛んで、今年8月には「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」を開催し、各地のホールを美しい音色で染めた。

久石は幼少の頃からバイオリンを習い、父の影響もあって年間300本もの映画を観ていたという。国立音楽大学に入ってからは、ミニマルミュージックに傾倒する。ミニマルミュージックとは、音の動きを極力抑えて反復させる中で少しづつ音を変化させていく現代音楽で、1960年代にアメリカで始まり70年代に流行、音楽界にさまざまな形で影響を与えた。

久石はミニマルミュージックをメインとした現代音楽の作曲家としてスタート切る。1981年には作曲とプロデュースを担当したアルバム『MKWAJU』をリリース。1982年にはソロアーティストとしてファーストアルバム『INFORMATION』を発売する。

転機が訪れたのは1983年。『風の谷のナウシカ』の映画公開に先駆けて発売されたイメージアルバム『風の谷のナウシカ イメージアルバム 鳥の人・・・』を手掛けた。それがきっかけで映画本編の音楽に起用され、一躍脚光を浴びることとなる。

その後も北野武監督の『ソナチネ』(1993年公開)や『HANA-BI』(1998年公開)、滝田洋二郎監督の『おくりびと』(2008年公開)など、精力的に映画音楽を手掛け続けた。また1992年から3年連続で、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞という快挙も成し遂げている。

そんな経緯もあって映画音楽のイメージが強い久石だが、活動はそれだけに留まらない。オーケストラのコンサートも積極的に行ない、2011年には東日本大震災支援チャリティーコンサートを東京と大阪、またパリと北京で公演を成功させている。ミニマルミュージックの作曲家としても、2015年にアルバム『Minima_Rhythm II』をリリースしている。

そして今年8月には、冒頭で紹介した「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」を開催した。このコンサートは、2004年に久石と新日本フィルハーモニー交響楽団とで立ち上げたプロジェクト「新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(以下、W.O.D)」のコンサートで、今年で15年目を迎えることもあってプログラムも豪華だ。

15年の集大成として、結成当時に作ったW.D.Oのテーマ曲「World Dreams」を組曲として世界初披露。また宮崎映画の楽曲を交響組曲にするプロジェクトでは、『魔女の宅急便』を組曲化しこちらも世界初披露した。他にも、NHKの番組のために書いた「Deep Ocean」なども演奏され、奥深く、幅広く、そしてボリューミーなコンサートとなった。

現代音楽からスタートし映画音楽を経て、今や世界に名を馳せる久石と、W.D.Oの渾身のコンサート「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」の模様は10月20日にBSスカパー!で放送予定。この機会に、その美しい音色に酔いしれたい。

文=堀慎二郎

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放送情報

久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019
放送日時:2019年10月20日(金)19:00~
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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