ラジオDJ・赤坂泰彦が語る、スカパラが切り開いた音楽の未来

赤坂泰彦
赤坂泰彦

ラジオDJとして数多くのアーティストや楽曲の魅力を伝え続けている赤坂泰彦さんがデビュー30周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラを語る。

'89年にデビューした東京スカパラダイスオーケストラは、昨年デビュー30周年のアニバーサリーイヤーを迎えた。

「彼らがデビューした頃、僕はTOKYO FMでレギュラーを持っていました。当時のラジオはスタジオライブをよくやっていて、その中にスカパラもいました。大所帯のバンドは制作費がかかりますし、移動する交通費もかかる。それなのに他のアーティストとギャラは一緒で割に合わないから、みんなやりたがらなかったんです。でもスカパラの皆さんと初めて会って、『大所帯もいいな』と思わせてくれました。ちゃんと個人個人で自分の(音楽的な)世界を持った人たちの集団だと分かったからです。とても礼儀正しいのに、演奏が始まったら人が変わったように止まらないところも魅力的ですね(笑)」

昨年デビュー30周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラ

もちろんそれ以前にもインストゥルメンタルバンドはいたが、インストでメインストリームを突き進む道を切り開いたパイオニアがスカパラだったという。

「インストは不利だと言われた時代に、それをアバンギャルドに覆して世界に渡っていく。スカパラの一番の強さは"スカ"というジャンルを打ち出したこと。ルーツがしっかりしているグループはそれが武器になります」

そして、彼らの何よりの魅力は"ライブ"で発揮されるという。

「現在は言うまでもありませんが、昔から演奏がうまかった。ただ聴かせるだけのうまさじゃなくて、お客さんも一緒に参加して盛り上がれるうまさだから、ライブが楽しいんです」

不幸な事故やメンバーチェンジを経験したことで結束力が高まり、バンドとして強くなった。

「(クリーンヘッド・)ギムラさんを病気で、青木(達之)さんを事故で亡くしたことは、僕らでは計り知れない苦悩があったと思います。でも、自分たちのスタイルを変えることなく、それをバネに、より自由に活動しているように思います。『美しく燃える森』での奥田民生さんや、『リボン』でのミスチル(ミスター・チルドレン)の桜井和寿さんなど、いろんなボーカリストをフィーチャーしていますし、フェスでは矢沢永吉さんとも共演しています。彼らの音楽的交友関係の広さは、いろいろなジャンルを受け入れる独自のスタンスがあるからだと思います。世界規模でライブをしてきた実績も加わって、僕らにインストという音楽ジャンルの未来を見せ続けてくれるんです」

あかさか・やすひこ●'59年生まれ。ラジオDJや番組MC、ナレーターとして活躍中。現在は「歌謡プレ ミアム」(BS日テレ)、「ラジオマンジャック」(NHK FM)にレギュラー出演中。

取材・文=田中隆信

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放送情報

V.I.P. ―東京スカパラダイスオーケストラ―
放送日時:2020年3月21日(土)21:00~
チャンネル:音楽・ライブ! スペースシャワーTV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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