唯一無二のパフォーマンスを見せるX JAPANのライブの軌跡を振り返る！

「紅」「Rusty Nail」「Forever Love」など、多くの名曲を生み出してきたX JAPANのライブが、9月から来年2月までの6ヶ月に渡ってWOWOWで放送される。

1982年に結成されたX JAPAN(結成当時はX)は、1989年にメジャーデビュー。アルバム『BLUE BLOOD』がヒットを記録し、強烈なインパクトを持つ「紅」をシングルカットしたことで人気と注目度が一気に上昇した。1990年には初の日本武道館ライブを成功させ、1992年には日本人アーティストとして初となる東京ドーム3日間連続公演を開催。楽曲の良さと、凄まじいライブでのパフォーマンスで唯一無二の存在となっていった。

1992年に日本ではワーナーミュージック、海外ではアトランティックと契約して本格的に世界進出をスタート。バンド名を"X JAPAN"に改名したのもこのときだった。1993年には「ART OF LIFE」、1996年に「DAHLIA」をリリースするが、1997年にボーカルのToshlが脱退を決意し、X JAPANは"解散"という道を選び、「X JAPAN The Last Live」で活動に終止符を打つ。

その後、1998年にギター・HIDEの急逝という悲しい出来事が起こり、再結成・再始動はもう無理なのかと思われた。だが、2007年10月、奇跡の再結成が実現。2008年3月には復活の狼煙を上げる東京ドーム公演3デイズを成功させた。YOSHIKIはX JAPANを綺麗に終わらせるために短期間の再結成を考えていたというが、X JAPANが動き始めたことによって、日本だけでなく世界中からX JAPANの音楽、ライブを求める声が大きくなっていった。2009年1月には香港で初の海外公演を行い、5月には東京ドームでの復活ライブからサポートメンバーとして参加していたLUNA SEAのSUGIZOが正式加入したことで更なる進化を遂げることに発展する。

2010年以降も、X JAPANのライブは一つ一つが"伝説"と呼ばれている。2010年8月には初の野外ワンマンライブとなる、日産スタジアム公演2デイズ。メジャーデビュー25周年を迎えた2014年には4年ぶりの国内ワンマンライブをおこない、アメリカのマディソン・スクエア・ガーデンでの初ライブも成功させる。2015年には20年ぶりの国内ツアーを開催し、2017年にはロックの聖地であるイギリスのSSEアリーナ・ウェンブリー公演、さらにはバンド初史上初の試みとなった全編アコースティックスタイルでの日本ツアーを行い、2018年4月には首の手術からのYOSHIKI復活ライブ、そして9月には、台風の影響で最終日を無観客で行った幕張メッセ公演と、一つ一つがファンの記憶にしっかりと刻まれているライブやツアーばかりだ。破壊と再生を繰り返す中に、バンドの進化もしっかりと感じることができる。それらに加えて今回は、2017年にYOSHIKIが東京フィルハーモニー交響楽団と共演したアメリカ・ニューヨークでのカーネギー・ホール公演も放送される。

新型コロナウイルスの影響で自粛期間に入る前からYOSHIKIは感染者への対策の重要性を呼びかけ、国立国際医療研究センターに1000万円を寄付。その発言と行動力に勇気づけられた人も多いはず。8月に放送されたNHKの音楽番組「ライブ・エール〜今こそ音楽でエールを〜」や「24時間テレビ」(日本テレビ系)では、ロサンゼルスから「Forever Love」をピアノで演奏。この演奏もたくさんの視聴者に感動を届けてくれた。

5月に自身のInstagramで「I think the new album is coming soon..」というメッセージを投稿し、X JAPANのニューアルバム発売への期待が高まっているが、9月からの6ヶ月にわたる怒涛のライブ番組を見ながら、新作への期待をさらに高めて待ってみてはいかがだろうか。

文＝田中隆信

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