声にも心情が表れる！「シャーロック」で光るカンバーバッチの魅力

個性的な顔立ちだが、抜群の演技力と柔らかく深みある低い声で世界中の女性を虜にしている俳優ベネディクト・カンバーバッチ。アメコミヒーローのドクター・ストレンジに扮し出演する映画『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』(2018年4月27日より日本公開中)や、壊滅的なプレイボーイを演じるドラマ「パトリック・メルローズ(原題) / Patrick Melrose」が英米で2018年5月21日に放送を控えるなど、今や映画にドラマに引っ張りだこの人気俳優となった。そんな彼を一躍スターダムに押し上げたのが、シニカルでスマートフォンやハイテク機器を自在に操る現代の探偵シャーロック・ホームズを演じた「SHERLOCK シャーロック」だ。

同作はエミー賞9部門受賞、ゴールデン・グローブ賞ノミネートなど輝かしい受賞歴を持ち、240を超える国や地域で放送される大ヒットドラマシリーズ。2014年に放送されたシーズン3のラストで殺人を犯してしまったシャーロック。「この先一体どうなっちゃうの!?」と気になっていたファンの期待に応えるシーズン4の字幕版が、AXNミステリーで放送される。今回は字幕版初放送ということで、カンバーバッチの魅力のひとつである美しく響く声を楽しみにしていたファンも多いことだろう。

約3年ぶりの新シーズンとなるシーズン4では、予期せぬ悲しい出来事が起こり、あれだけ友情を築いていたジョン(マーティン・フリーマン)との関係性に生じる亀裂や、シャーロックの家族や過去が描かれていく。さらにシャーロックを犯罪者として陥れるために、病院の屋上で自殺したはずの宿敵ジム・モリアーティ(アンドリュー・スコット)の復活も示唆されている。シャーロックは高飛車で人付き合いが得意ではなく、劇中で自らを「高機能社会不適合者」と呼ぶ。ジョンを失い麻薬に溺れたり、幼少期のトラウマと向かい合うことになったりと今回、彼の心情に迫るシーンは多く、今までにないシャーロックが見られること必至だ。窮地に追い込まれるほどに、シャーロックの頭は冴えわたり饒舌になっていくのもポイントである。

核心に迫っていく物語といえども、シリーズに欠かせないイギリス流の皮肉がこもったユーモアあふれるシーンは健在。シャーロックとジョンのコメディ性あふれる掛け合いももちろん楽しめる。またジョンと妻メアリー(アマンダ・アビントン)待望の赤ちゃんも誕生し、ハラハラドキドキさせるだけのミステリーには仕上がっていないので安心してほしい。

カンバーバッチの原点とも言うべき「SHERLOCK シャーロック」の最新シーズン。ぜひ彼の心情を表す魅力的な声とともに楽しんでもらいたい。

文＝津金美雪

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