(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
また舞台となる世界も、ノワール映画に相応しい不健全な設定が特徴的だ。未来戦争がもたらした混乱に加え、気候変動に伴う沿岸水域の上昇によって都市は水没。そんな劣悪な環境下で、一部の富裕層が浸水されていない土地を占有し、市井の人々は生存を圧迫されている。映画はこうした、異常環境がストーリーに密接に機能するようアプローチしている。人々が未来に背を向ける氾濫後の世界は、希少となった土地を擁する資本家たちの搾取を横行させ、ニックの意中の人であるメイを事件へと巻き込む要因を作っていく。
一方で「記憶」という要素も、この『レミニセンス』のサスペンスとしての濃度をしっかりと高めている。本編においてオンタイムで進行している事象は、はたして現実のことなのか、それとも記憶の再生なのか?このようにノンリニアにして錯綜する構成が、観る者の足場を容赦なくぐらつかせるのである。
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ハードなSF的外殻をノワール映画にコーティングさせ、クラシカルなジャンルをアップデートに導いた『レミニセンス』だが、作品の最後は純心なラブロマンスへと帰着していき、そこはジョイ監督の、女性としてのロマンシズムをしっとりと感じさせる。男性的な硬質さの中に繊細さを併せ持つ、こうした構えはジャンルを越境するだけでなく、作り手のジェンダーイメージをも超えていく。それはノワールやSFとも価値を異にした、この映画ならではの独自性だ。
文=尾崎一男
尾崎一男●映画評論家、ライター。「フィギュア王」「チャンピオン RED」「キネマ旬報」「映画秘宝」「熱風」「映画.com」「ザ・シネマ」「シネモア」「クランクイン!」などに数多くの解説や論考を寄稿。映画史、技術系に強いリドリー・スコット第一主義者。「ドリー・尾崎」の名義でシネマ芸人ユニット[映画ガチンコ兄弟]を組み、配信プログラムやトークイベントにも出演。





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