全国トップの成績を競い合っていたイケメンと美少女が、人生のドン底で再び顔を合わせる――その導入だけでも興味を惹かれるストーリーは、それぞれが抱える"スランプ"の要因がヘビーな内容だけに、ともするとシリアスで重い展開になりがち。だが、あくまでも"大人のラブコメ"を全面に押し出した軽やかなタッチになっている点が、本作の大きな魅力だ。
2022年5月に第1子を出産し、これが3年ぶりの女優復帰作となるパク・シネも今年2月で34歳に。共に30代となったヒョンシクとシネが制服姿に扮し、対抗心剥き出しで張り合う高校時代から、押し寄せるスランプでダメージを受けまくっている現在の姿まで、全力で振り切った彼らの芝居は妙に可愛らしくて、好感がもてる。
2人とも"ロコ職人"として数々の作品をヒットに導いてきたスター俳優だけに、時に「そこまでやって大丈夫?」と心配になるほどだが、ヒョンシクに至っては"貴公子"のイメージとはギャップのある変顔も連発。シネも、精神的に追い詰められているハヌルの感情の起伏を体現しており、インパクト大なコメディ演技が最高だ。
互いの痛みを分かち合ううちに頑なだった心が解け、好意を抱いていく王道のロマンスシーンもキュンの連続。相手の胸を真っ直ぐに射貫くジョンウのセリフや、ハヌルの情感豊かな涙の演技など、コメディとロマンスが絶妙なバランスで溶け合う2人のやり取りは、後半に行くほど味わい深いものがある。酸いも甘いも知る大人カップルだからこその、ドン底から這い上がる再生のストーリーにはグッと心を掴まれてしまうことだろう。



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