2014年に中韓ボーイズグループ・UNIQとしてデビューし歌手やダンサーとして活躍する一方、ブロマンス時代劇「陳情令」(2019年)で大ブレイク、近年の中国ドラマブームを牽引するスター俳優の一人となったワン・イーボー。

2024年は名優トニー・レオンとダブル主演を務めたスパイ・ノワール映画「無名」(2023年)、空軍パイロットを演じたスカイアクション「ボーン・トゥ・フライ」(2023年)、ブレイキンの全国大会でトップを目指す青年を演じた「熱烈」(2023年)と、3本の主演映画が立て続けに日本で劇場公開されるなど、その人気、実力は勢いを増すばかりだ。

そんなワン・イーボーが人命救助に情熱を燃やす青年を熱演したのが、中国で大ヒットした「FPU ～若き勇者たち～」(2024年)だ。9月26日(金)にＷＯＷＯＷシネマで放送される本作は、「インファナル・アフェア」シリーズなどで知られる香港アクション映画の名匠アンドリュー・ラウが製作総指揮を務めたアクション映画。実際に存在する組織で平和的に紛争を解決する国連国際平和維持警察部隊・FPU(Formed Police Unit)の活躍を描く。

国連の要請を受け、アフリカ某国に派遣されることになったFPU。FPUが向かうのは反政府ゲリラと政府軍の紛争が続き、テロや暴動などが絶えない危険地帯だ。チームワークを重んじる分隊長のユー(ホアン・ジンユー)をリーダーに、狙撃手・ヤン(ワン・イーボー)ら集まった精鋭たちは現地の警察や住民によそ者として疎まれながらも、命懸けで任務を遂行。次第に信頼を得ていくが、ある日、隊員たちは予期せぬ事件に直面することになる。

FPUの知られざる活躍に迫る本作では、準備と撮影に3年以上の歳月を費やし、実際の中国FPUにも取材を敢行。彼らはキャストへの演技指導にも参加し、過酷な状況にも突き進む姿にリアリティを加えることに成功している。

監督を務めたのは、「インファナル・アフェアII 無間序曲」(2003年)などのアクション振り付けを担当したリー・タッチウ。アクションの醍醐味を知るタッチウ監督が、冒頭から銃声が鳴り響き、一瞬も油断できない状況を活写。大量虐殺、テロ攻撃、暗殺、暴動、人質事件など、巻き起こる危機を緊張感と迫力たっぷりに描いている。

とりわけ、疾走感あふれるカーチェイス、家や車も吹っ飛ぶ大爆破、雨の中の銃撃戦、ナイフを手にした相手との肉弾戦など、クライマックスにかけて畳み掛けるように降り注ぐ怒涛のアクションは、目を見張ること必至だ。