世界的なメガヒットを記録した1997年の映画『タイタニック』で一躍トップスターの仲間入りを果たしたレオナルド・ディカプリオは、その甘いマスクと卓越した演技力で、世界中の女性のハートをわしづかみにした。その人気ぶりは、日本でも「レオ様」と呼ばれるほどだったが、あれから20年以上の時を経た今でもなお、世界中が注目するハリウッドスターとしての地位は揺るがない。また、環境問題にも熱心に取り組むなど、スクリーンの外でも精力的に活動している。
『アバター』『ターミネーター』などで知られるジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』は、豪華客船タイタニック号の沈没事故に見舞われた身分違いの若い男女の悲恋を壮大なスケールで描き出し、世界中の観客の涙を搾り取った。それまでクセのある役柄が多かったディカプリオが初めて正統派のヒーローを演じた作品であり、彼自身も「この作品で男として成長することができた」と語るほどに大きな作品となった。
1974年11月11日、アメリカ・ロサンゼルスに生まれたレオナルド・ディカプリオは、幼少時代からCMやテレビドラマに出演し、キャリアをスタート。1991年~92年のテレビドラマ「愉快なシーバー家」で一躍、ティーンのアイドルとなる。そしてその後、1993年の映画『ボーイズ・ライフ』で名優ロバート・デ・ニーロに見出され、続く『ギルバート・グレイプ』では19歳にして早くもアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、順調にキャリアを重ねた。
その後も、『太陽と月に背いて』『バスケットボール・ダイアリーズ』といった映画に出演し、一躍スターダムを駆け上がったディカプリオ。そんな中、1996年に発表された『ロミオ&ジュリエット』は、シェイクスピアの有名戯曲が原作。メキシコで撮影を行った同作は、タイツと剣の世界を、アロハシャツと銃の世界に置き換え、ポップに描き出した野心作だ。可憐な魅力を爆発させたジュリエット役のクレア・デインズとの相性もピッタリで、『タイタニック』にも通じるきらめきと才能を感じることが出来る同作でディカプリオは、ベルリン国際映画祭主演男優賞を獲得した。
ブラッド・ピットやジョージ・クルーニー、トム・ハンクスらと同様、ディカプリオもプロデューサーとして活躍している。2001年には製作会社「アッピアン・ウェイ」を設立。その第一弾作品がマーティン・スコセッシ監督の『アビエイター』だった。スコセッシ監督は、多くの作品でタッグを組んでいるロバート・デ・ニーロからディカプリオの才能を聞きつけたそうで、2001年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』をはじめ、5作品でタッグを組んでいる。
その中でも香港映画『インファナル・アフェア』をハリウッドでリメイクした2006年の『ディパーテッド』はアカデミー賞で作品賞を獲得するなど高い評価を受けた。貧困と犯罪が渦巻くボストンを舞台に、マフィアへの潜入捜査を命じられた警察官ビリー(ディカプリオ)、そしてマフィアから警察に潜入するコリン(マット・デイモン)という2人の男が、死と隣り合わせの任務に神経をすり減らすさまを描き出す。ここでは、骨太で精悍な演技を披露している。
本作は、それまで監督賞に幾度となくノミネートされながらも無冠だったマーティン・スコセッシ監督に、念願のオスカーをもたらした。だが、ディカプリオの演技は高い評価を受けたにもかかわらず、このときはノミネートすらもされなかった。ディカプリオが悲願のアカデミー賞主演男優賞を獲得するのは、2016年の『レヴェナント: 蘇えりし者』だったというから、それから10年も先のことである。
文=壬生智裕
放送情報
ディパーテッド
放送日時:2019年8月12日(日)21:00~
チャンネル:スターチャンネル1
タイタニック(1997)[吹]
放送日時:2019年8月19日(月)7:00~
チャンネル:スターチャンネル3
ロミオ&ジュリエット
放送日時:2019年8月29日(木)18:30~
チャンネル:スターチャンネル2
第1弾 レオ様VSブラピ 特集(全8作)
※8/29(木)~ 9/1(日)夕方に2作品ずつ連日放送 ほか(全8作品)
チャンネル:スターチャンネル2
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