2019年6月に入隊し、2021年1月に除隊が予定されているパク・ヒョンシク。2010年にボーイズグループ・ZE:Aの一員としてデビューした彼は、歌手活動と並行しながら俳優としても積極的に活動し、"演技ドル"として頭角を現していった代表格だ。早くも復帰後の活躍が待ち遠しいが、ここではそんな彼の役者としてのキャリアを振り返っていきたい。
2012年に俳優デビューしたヒョンシクだが、ソロ活動で注目を浴びるようになったのは2013年に入ってから。入隊を体験するバラエティ番組「チンチャサナイ」で、母性本能をくすぐる言動の数々が"赤ちゃん兵士"として大きな話題を集め、その名が広く知られるようになっていった。
その一方で、同年、SBS演技大賞で8部門を受賞した話題作「相続者たち」にキャスティングされ、イ・ミンホ、パク・シネといった若手トップスターが集結するなか、自由奔放な主人公たちの友人・ミョンス役を演じたことで知名度が一気に上昇。「ミョンスが画面に出ると大笑いしてしまう」というコメントがネットに上がるなど、脇役ながら抜群の存在感を放った。
その後、演技力が高く評価されたヒット作「家族なのにどうして〜ボクらの恋日記〜」(2014年)、「上流社会」(2015年)で着実にキャリアを重ねていったヒョンシク。その人気は、初の時代劇「花郎<ファラン>」(2016年)への出演によって確実なものとなった。新羅時代に実在した王の親衛隊"花郎"の成長を描いた同作は、パク・ソジュン、V(BTS)ら人気スターが多数出演したことでも話題に。ちなみに、放送後も続いた彼らの交流はファンにも広く知られており、"ウガウガ会"と名付けられたその集まりはSNS等で常に注目の的となっている。
また、日本でも織田裕二&中島裕翔(Hey!Say!JUMP)出演でリメイクされた海外ドラマ「SUITS/スーツ」(2011~2019年)の韓国版リメイクに、あのチャン・ドンゴンの部下役として出演。日本版よりも会話量が多いと注目された同作で、膨大な法律用語のセリフに挑んだヒョンシクは、常に進化をし続け、現在のキャリアと実力を築き上げてきたのだ。
そんなヒョンシクにとって兵役前の最後の作品となった映画『8番目の男』(2019年)が、11月16日(月)にKNTVにて放送される。本作は2008年に韓国で導入された国民参与裁判をモチーフにした法廷劇で、誰もが有罪だと思った裁判が一人の陪審員の発言によって揺れ動いていく様子が綴られていく。
ヒョンシクが演じたのは、"8人目"の陪審員のナム。ごく普通の青年だが、納得いくまで質問を重ね、粘り強く問題提起を続ける人物だ。ヒョンシクは一見平凡な人物像を、純粋な笑顔やたどたどしい口調といった絶妙な塩梅で表現。場の雰囲気に戸惑いながらも事件に真摯に向き合おうとする等身大な生真面目さが伝わり、見るものを思わず感情移入させていく。
事件の真相を追求する主人公でありながら、どこにでもいる一般市民を演じるにあたり、時に27テイクも撮り直すことがあったというヒョンシク。だが、その苦労の甲斐もあってか韓国映画評論家協会賞と青龍映画賞では新人賞を受賞するなど、高い評価を得ることになった。
間もなくその軍務を終えるヒョンシクだが、そもそも彼が入隊した先は、訓練が特に厳しいことで知られる"首都防衛司令部"の憲兵隊。首都・ソウルを防衛する最前線を担う特別部隊として名誉あるこの任務に自ら志願したこともあり、その動向は韓国内でも熱い注目が注がれている。
兵役前は好青年というイメージが強かったヒョンシクだが、国防最前線の軍務を経て、どのような成長を遂げるのか。また、除隊後の復帰作にどんな題材を選ぶのか――その点にも注目だ。
文=HOMINIS編集部
放送情報
8番目の男
放送日時:2020年11月16日(月)20:00~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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