今年32歳を迎え、最近Instagram等で見せる男の色気にあふれた長髪姿も注目を集めているイ・ジョンソク。新・韓流四天王の一人として人気を得てきた彼が、今年1月の除隊以来となる映画『デシベル』への出演が決定した。演技派のキム・レウォンやASTROのチャ・ウヌら豪華共演者もすでに発表されており、映画『魔女2』の特別出演に続く本格的なカムバックに期待がかかっている。
そんなイ・ジョンソクが約8年前に出演した映画『観相師 -かんそうし-』(2013年)をご存知だろうか?
韓国のアカデミー賞と言われる「大鐘賞」で最優秀作品賞や主演男優賞など6冠に輝いた本作は、"顔"を見るだけで性格から寿命まで全てを見抜く天才観相師ネギョン(ソン・ガンホ)を主人公に、朝鮮王朝史上最も凄惨な覇権争いを描いた歴史大作だ。
ジョンソクはネギョンの息子で、頭が良く優れた文才を持ちながら片足が不自由なジニョン役。官職に上がることを止める父の意に反し、自力で試験に首席合格するなど自らの道を開拓し、与えられた運命を変えようとする役どころだ。
この直前に出演しブレイクした「君の声が聞こえる」(2013年)など、数々のドラマなどで見せてきたロマンス演技とはまったく異なる重量級の芝居に臨んだジョンソク。長身が映える韓服姿や長い髪が本当に美しく、凛々しくひたむきな眼差しも深い余韻をもたらしている。運命に逆らい、親への感謝や反発をナチュラルに演じる姿は時に哀しくもあり、切なく胸を締め付けるのだ。
当時の制作報告会見で、ジョンソクは「最初の撮影で(ソン・ガンホ)にビンタを食らうシーンがあり、10回以上殴られたが痛いとは思わなかった。それほど緊張していた」とコメントを残している。というのも、本格時代劇である『観相師 -かんそうし-』で肩を並べた共演者には、外国語映画として史上初めてアカデミー賞に輝いた『パラサイト 半地下の家族』の名優ソン・ガンホに始まり、『神と共に』シリーズのイ・ジョンジェと、韓国映画界の顔とも言えるレジェンド俳優たちがずらり。日々の撮影に大きなプレッシャーを感じていたことがコメントからも窺える。
ただその後、名優たちとの共演やそこで得た"財産"について振り返ることも。『観相師 -かんそうし-』後に出演したドラマ「ドクター異邦人」(2014年)で演技のスランプに陥った際に、ソン・ガンホから自身を励ますメッセージが届いたという。大先輩からの思いもよらぬエールに、ジョンソクは再び己を奮い立たせ、苦しい中でも全話を完走することができたと、後のインタビューで明かしている。
ラブファンタジーからアクション、重みのある歴史劇まで、あらゆるジャンルでも確かな演技で爪痕を残してきたイ・ジョンソク。その人気はとどまるところを知らず、Instagramのフォロワー数は現在韓国俳優界でダントツだ。多くのファンが注目する新作映画『デシベル』の続報にも期待大だが、まずはこの本作時代劇『観相師 -かんそうし-』で挑んだ"新たな境地"を再見してみてほしい。
文=川倉由起子
放送情報
観相師 -かんそうし-
放送日時:2021年6月10日(木)20:00~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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