30代に突入し、除隊後の復帰作に選んだ「ヘチ 王座への道」(2019年)が高い評価を得たチョン・イル。これまでも「美賊イルジメ伝」(2009年)や「太陽を抱く月」(2012年)など数々の時代劇に出演してきたが、その中でも、「ヘチ 王座への道」で演じた後の朝鮮王朝第21代王・英祖(ヨンジョ)となる不遇の王子イ・グム役は、新たなイルの魅力を引き出したまさにハマリ役といえるキャラクターだった。
そんなイルが初の父親役に挑み、韓国の放送局、MBNで史上最高視聴率を記録した時代劇が「ポッサム-運命を盗む(原題)」だ。寡婦を連れ去って再婚させる朝鮮時代の風習"ポッサム"をテーマにした本作で演じたのは、身分を隠して荒れた暮らしを送るバウ。翁主(側室が産んだ王の娘)でありながら"ポッサム"されたスギョン(少女時代、クォン・ユリ)と共に、激動の運命に巻き込まれていく様を見事に演じ切った。また、スギョンとの間に芽生えていくロマンスも、本作を語る上で欠かせない魅力の一つ。今回が初共演とは思えないほど、息の合った様子を見せるイルとユリが、撮影中の裏話や見どころをたっぷりと語ってくれた。
――チョン・イルさんは多くの時代劇に出演されましたが、今回の「ポッサム-運命を盗む(原題)」では、荒くれ者であり、初の父親役でもあるバウ役が話題となりました。役づくりで特に意識した点は?
チョン・イル(以降、イル)「外見では髭もつけましたし、今までとは違う姿をお見せしようと努力しました。コンセプトを監督と練りましたし、メイクチームとも沢山話し合いました」
――バウの息子、チャドルへの愛と絆がとても印象的でした。初の父親役を演じた感想は?
イル「チャドルは本当にかわいくて賢いです。撮影をしながら刺激を沢山受けましたし、僕が教えたりもしながら、撮影中は本当に息子のように愛情をもって撮影をしました。チャドルはとても可愛いと人気でした」
――クォン・ユリさんは若くして未亡人となった翁主スギョンの芯の強さ、母性を見事に表現されていましたが、役づくりで意識した点は?
クォン・ユリ(以降、ユリ)「初めて挑戦した時代劇でもありましたし、言葉遣いや言い回しなどが難しかったです。スギョンが持っている感情を理解しようと努力して演技に集中するようにしました。台本にも細かくわかりやすく書かれていましたし、監督や共演者の皆さんと話し合いながら進めていくことが出来ました」
――チョン・イルさんはクォン・ユリさんとは初共演ながら息が合う方と仰っていましたが、撮影中に発見したお互いの意外な一面などありましたら教えてください。
イル「今までユリさんはトップスターだと思っていましたが...(笑)」
ユリ「NGですよ!こんなにも爆笑したらダメです(笑)」
イル「ユリさんは柔軟性がある女優だと思いました。初めての時代劇で撮影が寒い冬という厳しい状況だったにも関わらず、表情、泣くシーンもよく出来ていたと思います」
ユリ「チョン・イルさんは今まで沢山の作品で主演されてきましたが、現場でのリーダーシップ、自分の出演シーンでなくても熱心に意見を出してくれました。周りを気遣ってくれて、努力家で学ぶ点が多くかっこよかったです...でも、本人を目の前にして言うと恥ずかしいですね(照)」
――チョン・イルさんは平民から王族、クォン・ユリさんは王女から男装、そして女官の衣装までを着こなしていましたが、それぞれ一番気に入っている衣装とそのエピソードを教えてください。
イル「僕は平民のボサボサ姿の扮装に2時間もかかりました。今までしたことのない恰好でしたし、バウらしさが表現されていたので平民の姿が気に入っています」
ユリ「私も付け髭でボサボサ姿の自然なバウが魅力的だと感じました。私ははじめて挑戦した男装が新鮮で面白かったです」
イル「髭もよく似合っていたよね(笑)」
ユリ「無礼だ(笑)」(※劇中のスギョンの台詞)
――バウとスギョンがお互いに惹かれた理由は何だと思いますか。
イル「2人は違う環境で育ちましたが、似ている点は多いと思います。お互いに支え合いながら過ごしていくうちに惹かれていったと思います」
ユリ「私もそう思います。タイトルが『ポッサム-運命を盗む』ですよね。悪縁からはじまった2人ですが、厳しい状況でもお互いを頼って支え合っているうちに運命的に惹かれていったと思います」
イル「最初はお互いを認めません。バウもスギョンも強い性格なのでぶつかっていた感情がスパークし、後々に惹かれていった要因になったと思います」
――ラブシーンの撮影では事前に打ち合わせはされましたか?また、緊張はしましたか?
イル「特に緊張はしませんでした。その感情に辿り着くまでのシーンをずっと撮ってきていましたし、ユリさんと意見を出し合いながら沢山話し合いました」
ユリ「感情的なシーンの表現については密に話し合いました。繊細な感情をどのように表現するかお互いに話し合いました」
――ポッサムはMBN開局史上最高視聴率を獲得しました。その要因はなんだと思いますか?
イル「ユリさん、どう思いますか(笑)」
ユリ「時代劇(興行)不敗のチョン・イルさんのおかげです」
イル「いやいや(照笑)。最近は幅広いジャンルのドラマが多いですが、ロマンスドラマは変わらず人気です。心温まるストーリーが視聴者の心に届いて、監督の素晴らしい演出力、そしてユリさんの演技力のおかげではないかと思います。褒めたからご飯奢ってもらわないと(笑)」
ユリ 「(笑)。ストーリーも興味深い内容でしたし、初めて題材にした"ポッサム"という目新しさもあると思います。また、最近のドラマの中でも心温まる"人間の情"がしっかりと描かれていたので、視聴者の方も温かい目で見守ってくださったのだと思います」
――今後の俳優としての目標は?
イル「僕は出来るだけ長く俳優を続けたいです。30代半ばになりましたし、振り返ると忙しく過ごして来たので、これからもいい作品、監督、共演者の方々と仕事をしていきたいです」
イル「(思案するユリに対し)また時代劇をしたらどうですか?」
ユリ「一緒にしていただけたら(笑)」
イル「機会があれば是非また一緒に出来ると思います」
ユリ 「違うジャンルでもご一緒できたら楽しいと思います。目標としては、これからも色々なことに挑戦し続けて、俳優として様々な姿をお見せしたいです」
文=HOMINIS編集部
放送情報
「ポッサム-運命を盗む」インタビューSP
放送日時:2021年11月7日(日)16:00~
「ポッサム-運命を盗む」
放送日時:2021年11月21日(日)14:00~
チャンネル:スカチャン1(KNTV801)、KNTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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