プライベートでも仲良し！アース＆ミックスが「運命の相手」を演じた語り継がれるタイドラマ

「SOTUS／ソータス」(2016年)や「2gether」(2020年)といった大ヒットドラマを連発するGMMTV。アジア中にタイドラマブームを巻き起こしてきた同社が制作した作品の中でも、ファンタジックな世界観でファンを魅了し、名作と語り継がれているドラマが「A Tale of Thousand Stars」(2021年)。

同作での初共演により一躍スターダムへと駆け上がった"アース＆ミックス"も、今後のタイドラマ界を盛り上げる新たなニューカップルとして期待を集めている。

"千の星の物語"という意味を持つ同名小説を、「Still 2gether」(2020年)や「Bad Buddy Series」(2021年)など、繊細な感情表現に定評のあるAof・ノファナック監督がファンタジックな映像美と共に描き出した本作。元官僚の父親を持つ都会育ちの大学生・ティアン(ミックス)と、とある小さな村の森林警備隊長・プーパー(アース)の運命の出会いが紡がれていく。

舞台は、タイ北部にあるチェンマイのパーパンダーオという小村。国境近くの危険区域であり、携帯電話も使えないこの村にボランティアの小学生教師としてやってきたティアン。実は心筋炎を患っており、パーパンダーオ村に住んでいたトーファンという女性の心臓を移植して一命をとりとめたという過去があった。

自分の命を救ったトーファンに導かれるかのように村を訪れ、そこで彼女と互いに惹かれ合っていた青年・プーパーと出会うティアン。当初は相いれなかった2人が、ぶつかり合いながらも親密になっていく――というストーリーが描かれる。

物語を引っ張るのは、ティアンとプーパーの魅力的なキャラクターだ。親の金を使い自由きままな生活を送っていたティアンはちょっぴりワガママなところもあるが、間違ったことには臆せず意見する勇敢さ、自分の至らなさを認める素直さも持つ。一方、"軍人に間違われるほど厳格"なプーパーは口うるさいが面倒見もよく、料理や洗濯ができないティアンにあれこれと世話を焼く。

そんな2人が、反発し合いながらも少しずつ距離を縮めていく過程が本作のポイント。プーパーは、ティアンに蚊帳の使い方や川辺で体を洗うことを教えたり、ティアンが失敗した料理も代わりに食べたり...。「まともに働けないなら家に帰れ」と厳しく突き放しもするが、ティアンが「しっかり3ヶ月やり通します」と食らいつくと、ぶっきらぼうなフリを装いながら「見届けてやる」と受け止める。そんなプーパーの包容力がたまらなく魅力的だ。

口うるさいプーパーを鬱陶しがっていたティアンも、彼が気になりはじめる。どちらも恋に不慣れなだけに、からかい合って本心を隠してしまうのだが、ふと見つめ合った瞬間、秘めた本心が溢れ出す...。トーファンの尊い命を介して運命で結ばれた2人だけに、そこには恋心を超える切実な思いが見え隠れする。

ティアン役のミックス(サハパー・ウォンラート)は、今作でドラマデビュー。プーパー役のアース(ピラパット・ワタナセッシリ)とは以前から交流があり、今回の配役に悩んでいた監督に、長い付き合いのミックスを紹介しようと思っていたところ、偶然にも監督の方から尋ねられ、アースが自らミックスに声をかけたという。

友人同士だった彼らが恋仲を演じることに照れがあったそうだが、それ以上に2人の信頼関係が劇中にも抜群の説得力をもたらしている。まさにティアン＆プーパーさながらの縁で結ばれたベストパートナーなのだ。

彼らの素の様子はトーク番組やSNS上でも表れていて、やんちゃなやりとりで"仲よくケンカ"する姿も公開されている。そうした親密ぶりに沼落ちするファンも急増中。次々とスターカップルが誕生するタイドラマでも特別な絆を感じさせる2人――本作はその特別な出発点となる作品なのだ。

文＝酒寄美智子

この記事の全ての画像を見る