「私の解放日誌」とは一変！イ・ミンギのギャップに魅了される大人チャーミングな恋模様

5月に韓国で最終回を迎えたばかりの新作「私の解放日誌」が注目を集めたイ・ミンギ。「サム、マイウェイ～恋の一発逆転!～」(2017年)などで知られる人気女優キム・ジウォンらと共に、物語の中心となる"ヨム3兄妹"の1人を演じ、どこか息苦しい人生から解放されたいともがく長男・チャンヒ役をリアルに表現した。

ミンギと言えば、183cmという長身でモデル出身のイケメン俳優としてお馴染みだが、「私の解放日誌」では"ダサい"という理由で彼女に振られる冴えないキャラ。一転、8月14日(日)よりKNTVにてテレビ初放送される「Oh！ご主人様～恋ができない僕とカノジョの同居生活～」(2021年)では、ルックスも条件も完璧な人気脚本家を演じており、そのギャップがまた魅力的だ。

これまでのミンギのキャリアは、抜群のビジュアルを活かしたロマンス作品の印象がやはり強い。20代前半で出演した「タルジャの春」(2007年)での"年下彼氏"が注目を集め、近年も「この恋は初めてだから」(2017年)や「僕が見つけたシンデレラ～Beauty Inside」(2018年)といったラブストーリーで視聴者を魅了。アラフォーとなった現在もむしろ、年齢を重ねたことで大人の男性ならではの色気やチャーミングさが増し、さらなるファンを獲得している。

「Oh!ご主人様～恋ができない僕とカノジョの同居生活～」で演じた"イケメン脚本家"というキャラクターは、そんなミンギの魅力がピタリとハマった良作だ。

スリラードラマ専門の人気脚本家ハン・ビス(ミンギ)は、潔癖症で自己中心的なオレ様キャラ。"ラブコメクイーン"と呼び声の高いトップ女優オ・ジュイン(ナナ/AFTERSCHOOL)のことも「演技が気に入らない」と見下し、彼女の出演を3回続けて却下してきた。

だが、ビスの短気のせいで執筆中のドラマの主演女優がいなくなり、状況は一変。ビスがジュインに頭を下げて出演をお願いする形となり、さらにビスは執筆する場も失って、ジュインの家に居候するハメに...。それぞれの母も巻き込んで奇妙な同居生活を送るうちに、犬猿の仲だった2人に変化が訪れる――というストーリーが描かれる。

物語の序盤で明らかにされるビスの性格は最悪。ドアが少し開いているとか、置いた物の角度が少しズレている...といったちょっとした乱れも許せない完璧主義者で、自尊心とプライドは山より高い。

「俺の完璧な作品には完璧な演技で応えないとダメだ」と俳優を平気でクビにし、原稿も自分が納得いかなければ〆切が迫っていてもお構いなし。周囲に多大な迷惑をかけているにも関わらず、「俺みたいに完璧な人間のどこを直せと？」と開き直る傲慢な男だが、ちょっとした声の抑揚や笑い方、視線の送り方にミンギならではのチャーミングな味付けが効いていて、つい気になってしまう魅力的な人物に仕上がっている。

やがてビスが業界の信用を失い、ジュインの前でうなだれる姿は愛嬌たっぷり。ジュインに「上から目線の脚本家の台本じゃ演技できません」とバッサリ切られ、"ジュイン様"と呼ぶよう要求される顛末が、今作の本当の"はじまり"だ。

というのも実は、ヒロインの名前"ジュイン"は、韓国語の"主人"と同じ響き。傍若無人だったビスがジュインに弱みを握られ、しぶしぶ"ジュイン様(＝ご主人様)"と呼ぶうちに相手の気持ちを推し量るようになり、"恋"の感情に気づいていく。そして、ジュインがピンチに陥った際には血相を変えて駆け付けるほどのナイトに変貌していくのだ。

途中からは、同級生のジュインにずっと片思いしている財閥の息子・ユジン役でCNBLUEのカン・ミンヒョクも登場。トップ女優でありながら、プライベートは孤独で恋に臆病なジュインを巡って、ビス、そしてユジンが繰り広げるユーモラスな三角関係が、さらに物語を盛り上げていく。ミンギの変貌ぶりも見ものだが、何より、面倒くさい大人たちが繰り広げるチャーミングな恋愛模様を存分に楽しんでほしい。

文＝酒寄美智子

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