本編終了後には「こえかぶ」アンバサダーの中村鷹之資を交えてトークコーナーが行われた。斎賀は「新しいタイプの朗読劇だなと思ってまして、出てきた段階で別の人を演じていた上でさらに歌舞伎の役も読んでいくっていうのはすごい新鮮で面白かったですし、風吹蘭さんがこの物語を読んだらどうなるんだろうとかそういうのをいろいろ考えることがたくさんあって面白かった」と振り返ると、7日に出演したメンバーについて「お笑いチームなんですよ」と暴露すると会場からは大きな拍手が巻き起こった。高橋は「このメンバーは安心でしたよ。楽しくやらせていただくことができましたし、作中のちょっとした朗読コーナーとしてやることはあっても、演劇としての朗読っていうのをしっかりやるのは今までなかったので、役者として深いお付き合いができて嬉しく思っています」と語った。
ヒロインのおかるの演技について触れられた羽多野は「本当に緊張しました。稽古の中でいろいろ教えていただきながら、アクセントであるとかセリフのかけ方や受け方、どこで感情が高ぶったとか、どこで琴線に触れて涙が出てきてっていうのを演出家に教えていただきながらやらせていただいたので、最後の由良之助のところの長台詞はグッときました」と名残惜しそうに振り返った。
最後に鷹之資は「歌舞伎役者の私といたしましては、歌舞伎をこういう形で楽しんでいただけたというのは本当に嬉しく思います。ぜひ歌舞伎にも足を運んでいただけたら幸いです」、高橋は「非常に有意義でチャレンジングで実りの多い一日を過ごすことができました。歌舞伎というジャンルと声優という人たちという別々のものに思われがちなんですけど、やっていることはストーリーの登場人物として演技をしているということはまったく同じで、様式が少し違うということにお気づきいただけたならば劇場に足をお運びいただけたら幸いでございます」、斎賀は「今日は本当に素敵な空間をみなさんと共有することができてとても幸せです。歌舞伎を知らない人、歌舞伎は知っているけど声優さんを意識して聞かない方、その人達が一丸となってこの空間を共有することによって同じものを見て、同じ思いを抱いてそれぞれがコミュニケーションを取れたらいいなと思います」、内田は「『こえかぶ』に関わらせていただいたことで、知らなかった方に巡り会えましたし、知らなかった世界が開いていって、その世界にちょっと踏み込むととても面白いなということが分かりました」、羽多野は「先輩方と一緒に楽しくお届けできて本当に幸せです。こういう機会をいただけて本当にありがとうございました」と締めくくった。
この模様は2023年12月に衛星劇場にて放送されることが決定。歌舞伎と声優の組み合わせが織りなす新しい世界をぜひ体感してみてはいかがだろう。
取材・文=川崎龍也
放送情報
こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎 ~雪の夜道篇~
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