声優・岬なこ、1stライブは観客との一体感溢れるステージに。多彩な音楽表現で見せたソロアーティストとしての未来

黄色のドレスに着替えた岬は朗読の世界観のまま「群青セツナ」「つぎはぎの世界」といったミディアムチューンをパフォーマンス。一つひとつの言葉を噛みしめるように歌い上げる姿に会場は静寂に包まれる。「HURRAY!」では誰かの心をそっと押してくれるような前向きなメッセージを届けた。

「私自身がダンスを踊るのがすごく好きなので、ライブをやらせていただくにあたって歌と一緒にダンスをやらせていただけたらなと思っていたんです。でも、歌って踊るのも100%でやりたかったからダンスパートを今回披露させていただきました」とセットリストの選曲理由についても語るほか、楽曲に合わせた振り付けを取り入れていたという裏話も明かした。

事前にレクチャーを挟みつつ、披露されたのは岬が作詞を務めた新曲「いろづく」。ありのままの自分を受け入れようという歌詞が印象的なナンバーで、観客はサビでペンライトを横に振り上げて一体感のあるステージを作り上げていった。同曲はアルバム「day to YOU」に収録されている「75_AM6:30」と「75_PM11:30」を一曲にして作り上げた楽曲となっているとのこと。聴き馴染みのあるファンも多かったことだろう。

ここまでのブロックは「day to YOU」の収録曲を網羅したセットリストになっていたが、ここからはTVアニメ「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」のエンディングテーマにもなっている「スイートサイン」へ。岬のソロデビューの歴史を辿るセットリストの中で同曲は彼女の現在、そして未来を示していたように思う。そして「あいらぶゅー」といったポジティブなナンバーを届けた後、本編最後に披露されたのは「おやすみ」。同曲は岬のさまざまな思いが込められた楽曲ではあるが、決して自己完結するわけではなく、ファンに寄り添いながら温かなステージを展開した。

アンコールでは黒のライブTシャツにショートパンツというラフな格好で登場した岬はポップナンバー「街角カレイドスコープ」からスタート。MCとライブ恒例の写真撮影を終えた後は「恋のカウント1・2・3」でキュートな空気感を届けた。語感の良さやノリの良いメロディは改めてライブ映えする楽曲だなと感じた。

最終曲は序盤にも披露された「morning morning」。岬がひときわ声を張り上げて叫んだ「大好き」という言葉はファンを大切にしてきた彼女の心からの言葉だろう。序盤のパフォーマンスよりも、いくぶん幸福感が増したような空間が作り出されており、それは岬の新たな未来を想像させるものだった。

取材・文=川崎龍也

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公演情報

岬なこ 1st LIVE Nice to ME to YOU

<埼玉公演>
日時:2023年11月11日(土)17:00開場/18:00開演
会場:ソニックシティ 大ホール

<大阪公演>
日時:2023年11月26日(日)16:00開場/17:00開演
会場:NHK大阪ホール

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