ここで他の声優陣が登場。鈴村が「来年50歳になるんですが、若手です」と笑いを誘うと、羽佐間から「若手って言うけどもっと"若手"がいるんだよ」とツッコまれる展開に。その流れを受けて、"永遠の17才"の異名を持つ井上喜久子が「真実の若手ではなく"おいおい"あっての若手なんですけど...井上喜久子、17歳です!」と挨拶。観客から「おいおい!」と鉄板のコール&レスポンスが響き、会場中に拍手が沸き起こった。
そんな中、山寺が「改めてメンバーがそろったので、羽佐間道夫さん、卒寿おめでとうございます!」と祝福すると、照れ笑いを浮かべた羽佐間が「1つぐらいモノマネいっとこうか」とポツリ。突然の無茶ぶりに慌てた山寺が「時間ないから巻けって言われてるのに...」と焦りながらもハトの泣き声をマネして、しっかりと笑いをかっさらった。
そして無声映画の生吹替えが始まり、鈴村、若本、井上和彦、井上喜久子の4人が「チャップリンの霊泉」を披露。鉱泉のある保養所にチャーリーが持ち込んだ酒を、係員が間違って霊泉の中に捨ててしまうことで騒動が巻き起こる展開に観客が引き込まれる中、井上喜久子が演じる保養所の女性に、チャーリー役の鈴村が「17歳っぽいね」とアドリブを投入。これに井上喜久子も「時空が歪んでるんです」と切り返し、ライブ感満載のステージで観客を楽しませた。
続く「犬の生活」では、4人の声優陣と入れ替わりで山寺がステージに立つと、「十数年前に羽佐間さんから『犬の生活』が面白いからひとりでやれと言われてやったことがあってチャップリンが大好きになりました。実はこの『犬の生活』というのは権利の問題で十数年できていなかったんですけど、チャップリン協会の会長の大野裕之さんがチャップリン家の方に直接掛け合ってくださってオッケーになったんです」といきさつを説明。そして一人芝居について「とにかく目に付いた人を演じたいと思います」と宣言すると、映像に合わせて複数のキャラクターや犬の鳴き声などを巧みに演じ分け、さまざまなギャグを織り交ぜながら演じきった。
その後、大きな拍手とともに再び声優陣が登壇。井上和彦は一人芝居を終えた山寺に「いつ息してるの?」と聞くほど息つく暇もなかったことを賞賛すると、自身の演技については「直前で羽佐間さんにもっと面白くして」と発破をかけられていたことを告白。また、共演した鈴村が眼鏡を忘れていたことを暴露すると、鈴村は「僕は老の眼でございます」と台本があまり見えていなかったことを明かし、「かなりドキドキしながらやりました」と違った意味の緊張感があったことを語った。そんな鈴村は、他のキャスト陣を冷や冷やさせたことを申し訳なく思ったのか「次はガムテープぐるぐる巻きで来ます」と次回に向けて約束した。
最後に、羽佐間は「今日のタイトルは『祝・羽佐間道夫』ということで皆さん、駆けつけてくださいました。来年も『祝・羽佐間道夫』で参りたいと思います」と宣言。さらに「今日は私ということになっておりますけど、やはり皆さんの力がないとできないステージです。本当にありがとうございました。皆さまお元気で、またお会いしたいと思います!」と観客に向けて感謝し、イベントを締めくくった。
12月17日(日)には、「ボイスシネマ 声優口演ライブ2023 in大阪・新歌舞伎座」が安達忍、羽佐間道夫、林原めぐみ、福山潤、山寺宏一、岩本規夫らによって開催される予定だ。
取材・文=永田正雄
公演情報
ボイスシネマ 声優口演ライブ 2023 in 有楽町
開催日時:2023年10月21日、22日
ボイスシネマ 声優口演ライブ2023 in大阪・新歌舞伎座
開催日時:2023年12月17日(日)
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