2022年に放送され一斉を風靡したアニメ『ブルーロック』。シリーズ初の映画化となる『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』が現在大ヒット公開中。
TVシリーズ第1期では、主人公・潔 世一の視点から "ブルーロック(青い監獄)"での世界一のストライカーを目指す戦いが描かれたが、劇場版は桁外れのサッカーセンスを持つ天才・凪 誠士郎の視点で"ブルーロック(青い監獄)"での戦いを描く。
今回は凪 誠士郎の才能を見出す相棒、御影玲王を演じている内田雄馬にインタビューを行った。第1期を振り返っての感想や玲王の印象、やってみたいポジションなどを聞いた。
――劇場版が決まった時の心境から教えてください
「TVシリーズに続いて、劇場版として1本の作品を作ることができ、参加できることはとても嬉しく感じています。今回は『-EPISODE 凪-』ということで、TVシリーズと同じ時系列を違う視点で描いた作品を劇場版にするということはとても勇気があることだなと思うんですけど、それくらい『ブルーロック』には多くの人間ドラマがあって、登場するキャラクターには魅力があるんです。元々サッカーアニメならではの動きがすごくある作品なので、今回大きなスクリーンで見た時にどういう感じに映るのか楽しみですね」
――2022年から2023年にかけてTVシリーズが放送されて、そこから1年が経ちますが、第1期を振り返ってどんな思い出がありますか?
「もう1年経ったんですね、懐かしいな〜。当時は分散収録中だったので、一緒に録れるメンバーが限られていたんですけど、(島﨑)信長さんと興津(和幸)さんとは一緒に録る機会もすごく多かったので、思い出はたくさんありますね。サッカーはリアルタイムで戦況がめまぐるしく変わるスポーツなので、一緒に録ることで生まれるものがあったりするんですよ。でも、第1期では情勢的にそれが難しかったんです。なので、その臨場感をどうやって生み出していくのかを信長さんたちと話し合いながら作り上げていきました。あとは暑い時期に録っていたので、すごく暑かった記憶があります(笑)」
――TVシリーズでは分散収録だったとのことですが、今回はキャスト陣の方とコミュニケーションを撮りながら収録できたのでしょうか?
「前半は信長さんと興津さんたちと一緒に録ることができました。でも、今回はすでにTVシリーズを経て『ブルーロック』のテンション感は分かっているので、凪の視点になった時にどういう芝居に持っていこうかを考えました。TVシリーズは視点が潔(世一)たちだったので、敵である(御影)玲王を演じる時に細かな感情を表現するよりも、いかに振り幅を出していけるのかを考えて役を作っていったんです。今回は凪の視点になったこともあって、玲王も一つひとつの心情を丁寧に表現することを心がけましたね。そういう意味では今回凪役の信長さんと息を合わせながら作り上げることができたんじゃないかなと思います」
――本作にはサッカー界への棘のある描写も含まれていたり、現実離れした演出が含まれていたりしますが、改めて本作の魅力はどのようなところにあると思われますか?
「『ブルーロック』の面白いところは、人間の感情的な部分がリアルに描かれていることですね。特に僕が演じている玲王に関しては、生まれが普通ではないだけで、すごく一般的な感覚を持っていて、『ブルーロック』に登場するキャラクターの中でもそんなに尖ってはいないんですよ。僕も玲王が持っている"何でも上手く行くような自信"を10代の頃に思っていたことがあったので、すごく共感できました。ただ、その中でも潔だけは特別なキャラクターだと思っていて。そういう意味では潔の"エゴ"というものすごい大きなパワーに引っ張り上げられている作品ではあるんですけど、それ以上に各選手の内面が丁寧に描かれているので、ぜひ注目してみてほしいですね」
――確かに玲王は裕福で何でも欲しいものを手に入れてきた人生だったと思うんですけど、それが故に精神的に脆い部分も見えてきたりして。その素の部分が人間味があっていいですよね
「そうなんですよ。玲王は総じて持っているものが多いっていうだけなんですよね。自分でどうにかしようとか、どうなろうとか思わなくても、全てが叶ってしまう。社長の息子として周りから求められるものがたくさんあって、彼はそれを上手く小器用にやって、なんとなく上手くやってこられたと思うんです。でも、彼には精神的な幼さが残っているんですよ。ただその未熟さっていうのは決して特別なものではなくて、誰もが持っているものだと思っていて。そこにどう向き合うのかで個性が生まれてくるじゃないですか。僕はもう大人なので、子供の成長を見守るような気持ちで玲王の成長を見ていました」
公開情報
「劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-」
2024年4月19日(金) 全国ロードショー
配給:バンダイナムコフィルムワークス
©金城宗幸・三宮宏太・ノ村優介・講談社/「劇場版ブルーロック」製作委員会
詳しくはこちら