――もしも、森田さんと杉山さんが『BLEACH』の世界に入るとしたら、現世、護廷十三隊や滅却師(クインシー)など、どのコミュニティーで過ごしたいですか?
森田「すぐに粛清されるので、絶対に<見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)>はイヤです!」
――(笑)
森田「そう考えると僕は、空座第一高等学校ですね(笑)。ポジション的に言うと、全然物語に絡んでこない図書委員とか」
杉山「原作の1、2巻で見切れるモブキャラみたいなね(笑)」
森田「学校が虚(ホロウ)に破壊されて『急に爆発したぞ! ガス爆発か?』みたいなことを言っている人がいい。巻き込まれたくないです。どこに行ったってヒドいんですから!」
――確かにそうですね(笑)
森田「本編の中で唯一行きたいとすれば、護廷十三隊の四番隊ですかね~。なぜなら、前線に立たなくていいからです(笑)。でも、千年血戦篇に関しては、四番隊が大活躍しているんです。疲弊して傷ついた隊士たちが多くいるなか、四番隊の働きはスゴい。隊長の卯ノ花烈(CV.久川綾)さんがいなくなり、じつは一番癒されなければいけないのは四番隊なのではないか、というなかでのあの奮闘ぶりは素晴らしいなと思います。理想としては、戦いのない状態での四番隊がいいですね」
杉山「僕も現世のキャラがいいなと思うのですが、<見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)>にも少しだけ憧れるところがあって」
森田「え〜!」
杉山「影の空間で生きているということは、凄く広いところにも住めるということですから。そう考えたら、こんなに贅沢なことはないなと思います」
森田「たとえば東京の影だとどこが一番いいですか?」
杉山「井の頭公園の近くとか自然が多いところがいいですね」
森田「癒されたいだけ(笑)」
――(笑)
杉山「癒されたいんですよ(笑)。むしろ猫しかいなくていい。<見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)>の世界で、猫だけいっぱい飼って好きに過ごしていいよと言ってくれる世界だといいですね」
森田「...想像したけどすごいですね(笑)」
――おふたりとも、やはり戦わない選択をされるんですね
森田「疲れますから。だって20年以上戦っているんですよ?」
杉山「毎週のように刺客が来ますからね」
森田「僕、生まれてこの方一番言った言葉が『卍解』ですから」
――(笑)。森田さんと杉山さんは本作で共演されて約20年。お互いの印象に変化はありましたか?
森田「変わらないですね。杉山くんは『同世代なのにこんなに違うんですか』と言うくらい真面目なままだし、いつもリスペクトしています。尊敬できるからこそ任せられる部分もあって。『このかけあいのシーンどうしようか』というときに、下手すれば5、6個アイデアが浮かんで迷うときがあるんです。そんなときは、杉山くんの意見を聞いて決めることもあります」
杉山「森田さんは原作に対する理解と愛情がものすごいです。最初のテレビシリーズのときもコミックを持ってきて『このページの一護の表情だと、この芝居はやりすぎかな』と熱心に考えて監督に相談されていらっしゃったんです。先ほど、森田さんがおっしゃっていた意見を聞いてくださるお話でも、いろんなキャストさんとディスカッションをするから、他の人たちもきっと演じやすかったと思います。芯の部分で作品を大事にしているのは、初期から現在に至るまで変わりません。こういう方が座長でいてくれて本当に助かりますし、作品としても素敵なことなのではないかと思います」
――最後に第3クールの見どころを教えてください
森田「第2クールから引き続き苛烈な戦いが繰り広げられていきますし、ここからさらに物語が濃縮されていくのが第3クールだと思っています。台本も映像もエネルギーが詰まった状態になっているので、各キャラクターの心情であったり、つながりであったりを見逃さないようにしていただきたいです。『BLEACH』は、超一級のエンターテインメント作品ですが、さらに深いところまで突いていくのがこの『相剋譚』だと思います」
杉山「今回分割4クールで、第3クールは起承転結の『転』にあたるのですが、第3クールを最後まで見ていただくと、まさに『転』になったと感じていただけると思います。ぜひ、第3クールの最終話まで楽しみにしていただけたら嬉しいです」
取材・写真=浜瀬将樹
放送情報
TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』
放送局:テレ東系列ほか
放送日時:10月5日(土)23時より放送開始
声の出演:森田成一、杉山紀彰ほか
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