沢城みゆき、歌舞伎に恋する。"5列目"から覗く粋な世界【#推シゴトーク】

声優

沢城みゆきが恋してやまない、粋なもの
沢城みゆきが恋してやまない、粋なもの

2026年1月4日(日)より放送開始するTVアニメ『違国日記』に出演する沢城みゆき。

沢城は、アニメ『デ・ジ・キャラット』のオーディションで審査員特別賞をし、14歳で声優デビュー。『HUNTER×HUNTER』クラピカ役や『ルパン三世』峰不二子役 (三代目)、『ソードアート・オンライン』シノン役、『鬼滅の刃 遊郭編』堕姫役など、広い声域と高い演技力でさまざまなキャラクターを演じ分ける実力派声優として知られている。今回の『違国日記』では"人見知りの少女小説家"高城槙生役を務めている。

今回は、そんな彼女の"推し"ているものについて、語ってもらった!

――いま推しているもの、ハマっているものは?

「歌舞伎です」

――歌舞伎との出会いはいつですか?

「最初に観に行ったのはスーパー歌舞伎です。高校生くらいの時に、二代目市川猿翁さんが演じられていたものを、役者仲間の方に『見ておくといい』ということで連れて行っていただきました」

――初めて観た時の感想は覚えていますか?

「分かりやすく、"スーパー"がついている部分に迫力を感じました。水が出るとか、飛んだりする演出に圧倒されたのもあるんですけど、やっぱり貫かれたのは、その奥にある歌舞伎の粋な部分で。親子が最後花道にはけていくシーンで、息子は生き残ったんですけど、父親は死んでしまって。2人で花道をはけていくのかなと思いきや、息子を少し見送った後に、お父さんだけは手を振って奈落へ下がっていくんですね。あそこって人間以外の役人しか通常は出入りできないらしくて。その粋な演出を見た時に『うわぁ...!』って思ったことだけは今でも鮮烈です。『なんて粋な演出!』って。たぶん、歌舞伎の中にある"香り"に一番ノックアウトされたんだと思います」

――言葉じゃなく、表現する部分に惹かれたんですね

「そうなんです。今年1年間行ってみて分かったんですけど、5列目までは"同感"、5列目から10列目までは"共感"、2階席だと"観劇"だと思っていて。やっぱり5列目から前で見ると、役者さんの目の中が分かるんですよ。目の中で動いている歌舞伎が分かる。もちろん、型のカッコよさはどの席からでも分かると思うんですけど、目の中にあるものは、やっぱり5列目から前じゃないと分からない。ただ、いろいろ試してみて分かったんですけど、2列目から前は"出演"になってしまうことに気がついて(笑)。舞台袖が見えると、なんか自分も本番の気持ちになってきちゃって。もうちょっと後ろがいいなって」

――すごい沼ですね。本当に知れば知るほど、という感じです。歌舞伎のどんなところに一番惹かれていますか?

「たぶん、一番最初にふらふらと歌舞伎座へ向かってしまったのは、受け継がれてきている確かなものと、受け継いでいくロマンみたいな、歴史があるものの中にいることへの羨ましさ。受け継がれるほどの技術に触れたい、それに癒されたいっていう気持ちだったと思います」

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