人見知りの小説家・朏素晴(みかづきすばる)と、彼が拾ったノラネコのハルの生活を描いた人気漫画「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」が、2019年1月よりTVアニメとなって放送される。本作は、同じエピソードを人とネコ、それぞれの目線から描き、「全国書店員が選んだおすすめコミック2017」で3位にランクインするなど評価も高い。今回、素晴役の小野賢章とハル役の山崎はるか、ネコ好きの2人に作品の魅力などを聞いた。
原作をご覧になっての感想はいかがでしたか?
小野「この作品は特殊で、人間から見たら『ネコはこういうふうに思っているのかな』と思っていた行動が、ネコ目線から見たら違う解釈が描かれていて、理解しやすかったです。凝り固まっていた素晴の心が、ハルと触れ合う中でほぐれていく様子も丁寧に描かれていて、いい作品だなと思いました」
山崎「私もネコを飼っていて、ネコの行動を勝手に解釈していることが多かったんですけど、この作品みたいに実際はこんなにも思っていることに差があったらどうしようかなと思いました(笑)。それから、ご飯にがっついたり、素晴を守ろうとするハルを見て、『ノラ育ちのネコって強いんだな』という印象も受けましたね。あと、よく目にするネコの行動がいくつもあって、ハルが段ボールに入っているのを見た素晴が『何でそんなところにいるんだ』って言う場面があるんですけど、うちの子もやるなと。せっかく、ふわふわのベッドを買ってあげたのに、それが梱包されていた箱の方がお気に入りみたいな(笑)」
演じるキャラクターの第一印象や共感した部分を教えてください。
小野「素晴は本を書いている時の集中力がすごくて、寝ずに食べないで書き上げたりするのですが、そこは僕も似ているかな。1つのことに興味がいくと周りが見えなくなってしまって、やらなければならないことをギリギリまでそっちのけにしたりとか。さすがに素晴と違って食事は取りますけど、夜が朝になっていたことはありますね」
山崎「私はご飯に目がなくて、『おいしい物をご馳走してあげるよ』って言われるとテンションが上がっちゃうので、その感じはハルと似ているなと思いました。ハルみたいに声も高くなります」
小野「ネコかぶってね(笑)」
山崎「そうですね(笑)。あと、友達に対して世話好きな面があって、遊びに来た友達にご飯を作ってあげたりします。洋食が苦手なので和食を作ることが多いですけど、ご飯とみそ汁とお肉が好きなので肉料理を、家にあるものを使って手早く作ります。そういう世話焼きな部分はハルと似ているなと思いました」
役を演じる際に心掛けていることはありますか?
小野「素晴は聞き取れないぐらい低いテンションで話すのですが、モノローグはセリフとメリハリをつけるように、少しはっきりさせています。あと、幼なじみの大翔(ひろと)と話す時は、少しだけ心を許すような話し方をしていたりします」
山崎「ネコなので、台本がほとんどひらがなで書いてあるんですよ。難しいことは考えないですけど、少し悲しんだらすぐ違うことに気が行ってしまったりと切り替えが早いので、頭でいろいろ考える素晴とは真逆で、考え方が単調というか...。ネコらしくあまり考えないようにしています」
収録現場ではネコの話題で盛り上がったりしますか?
小野「ほとんどのキャストがネコを飼った経験があったので、ネコの自慢話をしましたね。あと、エンドカードで紹介するネコの写真を選んだのですが、『他の家のネコを選ぶぐらいだったら、うちのネコにしてくださいよ』みたいな話になって(笑)」
ハルは"人に見えないもの"も見えるようですが、ネコが不思議な行動をしているのを見たことはありますか?
小野「たまにダッシュで逃げたり、何か見えているんじゃないかって思ったりする時はありますね。一人暮らしだとやっぱり怖くなって、やめてよって思います」
山崎「私もありますね。そういう時は、飛んでいるホコリを見ているんだろうと思って、怖がらないようにしています。真剣に何かを探すように窓の外を見ている時は、何をやっているんだろうって思いますね。あと、ネコじゃないですけど、うちのヘビは上を向いてパカーンって口を開けて寝ていることが多くて、あれが不思議です(笑)」
小野「ヘビを飼っているの!?すごいね。ネコとは共存できるの?」
山崎「できないので部屋を別々にしています。ネコにとってヘビは動くおもちゃのようで、ヘビを運動させるためにハンドリングする時は見せないように扉を閉めています。動くヒモがあると思って興味津々みたいなので」
小野「僕も4~5年くらい前に、ウーパールーパーを飼っていたことがあるんです。ただ、その時は専用の水槽をすぐに用意できなくて、本当はダメと分かっていて熱帯魚と同じところに入れていたんです。普段の動きは遅いのにエサを食べる瞬間だけはすごく速いなと思って見ていたら、近くを泳いでいたグッピーが一瞬で食べられてしまって...。すぐに水槽を買いました」
山崎「ヘビも結構速いんですよ。エサ用のネズミをあげると、バクってかみつきます。赤ちゃんの時はそのまま食べて、大きくなると狩猟本能でギューって締め付けてから食べるんですけど、その成長がかわいいですね」
最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
山崎「ネコのポーズや表情が細かく描かれていて、ネコを飼っている人が共感してもらえるシーンもありますし、飼っていない人も『こんなネコと暮らしたいな』と思える部分があるので、楽しんで観てほしいです」
小野「動物全般にいえると思いますが、言葉は通じないけどこんなことを考えているんじゃないかということを、いろんな角度から見られるアニメです。『これをきっかけにネコを飼いました』って言っていただけたら、うれしいですね」
文=永田正雄
放送情報
同居人はひざ、時々、頭のうえ。
放送日時:2019年1月9日(水)23:30~
※毎週(水)23:30~ほか
チャンネル:アニメシアターX(AT-X)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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